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「伊野尾くんはさ、」
夕陽が沈んでいく海を見つめて、隣で高木が口を開いた。
人っ子一人いない穴場は、高木だからこそ連れてきてもらえたところだと思う。
「なんかさ、綺麗になったよね。」
「……へ?」
「いや、ずっと綺麗だけど……さらに、綺麗になったなって。」
「あ、りがと……?」
期待しちゃうぞこら、なんて。
「ほら、花みたいだなって思ったんだ。」
「花……?」
「うん。」
ちょっと恥ずかしいんだけど、と前置きをして、高木は微笑みながら言った。
「注目されて、可愛い、綺麗って言われて、みんなに見られれば見られるほど、もっと綺麗になっていくの。
だからね、俺、心配になっちゃう。」
「へ……?」
「いつか、花みたいに、しぼんじゃうんじゃないかって。
期待に応えすぎて、自分が求めてることが何なのかを忘れて、いつかぽきって、あっけなく折れちゃうんじゃないかって……」
とくとく、胸がなる。
今俺が求めているものは、高木、ただ1人だけなのに。
今、
今、言わなきゃ、絶対損する。
何の根拠もないけど、そう思った。
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JUMP大好きな白米と猫(プロフ) - 山ちゃん伊野ちゃんペアめっちゃ笑いました!やまいのはギャグっぽくもなるのでおもしろいですよね(*'▽') (2017年2月10日 8時) (レス) id: f122806c5b (このIDを非表示/違反報告)
秋弥(プロフ) - 猫の平手打ちやばいですね(笑)ビンタを見たメンバーの反応がすごく気になります (2017年2月6日 22時) (レス) id: a5dc5670ff (このIDを非表示/違反報告)
☆いのてり☆ - ありいの、うぅ切ない...。伊野尾受けだああああああって思って開いて見たら酢雨さんでした!どおりで私の好きな話の感じだと思いました(笑) (2017年2月5日 22時) (レス) id: 6a862f044e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:酢雨 | 作成日時:2017年2月5日 18時