隆平side ページ6
蜜柑と檸檬は、僕を許してくれて、
その分、
葡萄と苺の攻撃は、ヒートアップしていった。
「アンタが脱退してから、メンバーに覇気がなくなってるんだよね。アンタの面倒見る負担がデカすぎて、仕事に集中できてないんじゃない？」
「病気も障害も、自分の都合でしょ？そのオモリのせいで、メンバーのモチベーションに支障が出るとか、大迷惑なんだからね」
そんなん、分かってる。
僕は、メンバーの優しさに依存した、ただの荷物や。
そう自覚しながらも、
みんなに支えられてきた日々は、幸せやった。
たとえこんな体でも、
みんなとなら、笑顔で生きていけそうな、
そんな希望も、見えてきたところやった。
でも…
みんなは今も、
多くの人の支えや、命綱になっている、
アイドル。
僕とは、違うんや。
隆「ごめんな…」
震える唇から出たのは、そんな四文字。
メンバーとエイター。
僕が生んだ、たくさんの被害者に向かう、
懺悔やった。
「…もう、いいじゃない？」
檸檬が、まだ不満げな苺と葡萄に、働きかけてくれる。
「こんなんで許されることなの？コイツのしたことって」
「だって…」
彼女たちの不穏なやり取りが続く中、
体がヤバイことになっていくんを感じて、
額に、冷や汗が滲んだ。
時計を見ると、もう12時。
ちょくちょく来る言うてた水坂さん、
夕方から、来てへんやん。
何で来てくれへんの？
「あら？どうしたの？」
僕の異変に気付いてか、SAKURAが尋ねてくる。
どうしよ。
こんな人たちの前で、言いたない。
でも、もう…
隆「…歩行器、持ってきてください」
「は？逃げる気かよお前」
隆「ちゃうんです…トイレに、行きたくて」
情けない訴えやけど…
この状況じゃ、
立ち上がることも、できひんのやもん。
「ああ〜！ごめんなさいね。気付かなくて。ほら！早く出してあげなさい」
SAKURAに指示された佐々屋が、
浴室から、歩行器を引きずり出してくる。
ホッとした反面、
あまりにすんなり、望みを聞いてくれたことを、
訝しく感じていると、
歩行器は、
嫌な笑みを浮かべた、佐々屋の手によって、
宙に掲げられた。
不気味な光景に、体が硬直していく僕の前で、
悪魔は、
悪意の全てを込めたような顔つきで、
乱暴に、床に叩きつけた。
仲間に与えられた、僕の大切な『足』を。
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太陽丸(プロフ) - 凪沙さん» 凪沙さん！ありがとうございます★そんなこと言って頂けるなんて嬉しいです！終わりは自分でもまだ見えません…が、変わらずお付き合いいただけたら嬉しいなと思います！ (2018年7月17日 15時) (
レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - 突然失礼します。いつも更新楽しみにしてます。マルちゃんが助かりますように,と思いながら読ませてもらっています。マルちゃんを幸せにしてほしいっていう気持ちがあるけれどもっと太陽丸さんの小説を読みたいなとも思います。更新頑張ってください！ (2018年7月16日 8時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - 詩暖さん» うわ〜！一気にとは！大変だったでしょう:(T-T):大切な時間を割いてお読み頂いて本当にありがとうございます(*^-^*)しんどいシーンも多いですが、これからも見守って頂けたら嬉しいですｏ(＾-＾)ｏ (2018年7月5日 20時) (レス) id: cfb77a5e73 (このIDを非表示/違反報告)
詩暖(プロフ) - 初めまして。この間、ようやく『逆光』シリーズを読み始めました……一気に読んだのですが、もうマルちゃんが救われますように……と祈るばかりです。すごく引き込まれます。これからの展開、楽しみです。無理なく更新してください。 (2018年7月5日 18時) (レス) id: 4736f0cf92 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ひなばるさん» ありがとうございます！回りくどくて情報過多で、分かりづらくないかなあと不安になっていたので、楽しみにしてくださると言っていただき、とても励みになります！これまでも酷な出来事がいっぱい起きてきていますが、どうか最後まで見守っていただけたらと思います (2018年7月1日 8時) (レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2018年6月19日 14時
