すばるside ページ47
この人はつまり、何度かマルのことを、助けに行っていたんやな。
けど、それなら、何で…。
す「それ、最後に行ったんは？」
「午後の５時くらいでした」
午後の５時。
マルが助け出されたんは、
夜中２時くらいにはなってたはず。
なるほど。
それじゃ、膀胱やて限界になってまうよなあ。
亮「そんな長い時間、何で来なかったん？」
亮が顔をしかめる。
「不安だから一緒にいてほしいという西野さんから、離れられなくて…」
亮「…そんな」
お人好しゆえ、行けなかった感じか。
気にはかけていたんやろう。
でも、無責任や。
マル、待ってたんやないの？
ずっと、
苦しい中、もしかしたら誰にも言えへんまま、水坂さんを待ってたんやないの？
信じて、待っていたんやないの？
この犯罪に手を貸して、
そして、その懺悔のつもりで、約束したなら、
明里ちゃんに引き止められようが、
何とでも理由つけて、マルの所に行ったるべきやったんやないの？
…アカン。
ハラワタ煮えくり返りそうやけど、
吐き始めると、
たぶん、歯止めが効かなくなる。
喉元に迫っている憤りを、一旦押し戻し、
俺は、もう一人の関係者に、意識と視線を移動させた。
す「で、あなたは、どこまで知ってたんですか？」
この人の言い分も気になる所やろ。
水坂さんのほうは、よう分かったけど、
宿を仕切っているオーナーの話は、まだ何も聞けてない。
さっきから、水坂さんの話に、目を丸くしてる場面が、何度もあった。
それ見て、もしかしたら、この人も、何も知らんかったんかもて、思ったんよ。
「…水坂さん経由で、SAKURAさんは３軒分のコテージを予約されたのですが、最初にいらしたのは、SAKURAさんご本人と、若い男性２人でした。仕事の大事な話し合いをするから、従業員含め、絶対誰も立ち入らないようにと、念を押されました」
亮「それだけ？」
「最初はそれだけでした。そして、２日目の早朝に外出されたSAKURAさんが、お昼過ぎに、最初にいた方とは違う男性2人を連れて、戻ってきました。仕事仲間だと仰って…」
す「それが、佐々屋と和泉？」
「はい。その後、いらした男性のうち１人が、また別の仕事仲間を連れてくるからと言い、外出されました。女性４人を連れて…戻ってきたのは19時か、20時…くらいだったかと」
動けへんマルの周りに、
敵が徐々に追加されていったってわけか。
そんなん…
地獄以外に、どんな例え方があるやろう…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
太陽丸(プロフ) - 凪沙さん» 凪沙さん！ありがとうございます★そんなこと言って頂けるなんて嬉しいです！終わりは自分でもまだ見えません…が、変わらずお付き合いいただけたら嬉しいなと思います！ (2018年7月17日 15時) (
レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - 突然失礼します。いつも更新楽しみにしてます。マルちゃんが助かりますように,と思いながら読ませてもらっています。マルちゃんを幸せにしてほしいっていう気持ちがあるけれどもっと太陽丸さんの小説を読みたいなとも思います。更新頑張ってください！ (2018年7月16日 8時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - 詩暖さん» うわ〜！一気にとは！大変だったでしょう:(T-T):大切な時間を割いてお読み頂いて本当にありがとうございます(*^-^*)しんどいシーンも多いですが、これからも見守って頂けたら嬉しいですｏ(＾-＾)ｏ (2018年7月5日 20時) (レス) id: cfb77a5e73 (このIDを非表示/違反報告)
詩暖(プロフ) - 初めまして。この間、ようやく『逆光』シリーズを読み始めました……一気に読んだのですが、もうマルちゃんが救われますように……と祈るばかりです。すごく引き込まれます。これからの展開、楽しみです。無理なく更新してください。 (2018年7月5日 18時) (レス) id: 4736f0cf92 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ひなばるさん» ありがとうございます！回りくどくて情報過多で、分かりづらくないかなあと不安になっていたので、楽しみにしてくださると言っていただき、とても励みになります！これまでも酷な出来事がいっぱい起きてきていますが、どうか最後まで見守っていただけたらと思います (2018年7月1日 8時) (レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：太陽丸 | 作成日時：2018年6月19日 14時
