裕side ページ34
二度目の救助を試みた俺は、
一緒におったという女の子が言うてた通り、
彼女を見つけたんと、同じ場所で、
横たわったマルを、見つけた…。
黒煙が目に沁みたせいで、その後、マルの姿は捉えられなくなって、
俺は思わず、
マル！！って、声を張り上げた。
助けに来たで！
もう大丈夫やで！
って、
存在を、一刻も早く知らせたかった故の行動。
きっと、
それが、アカンかってんな。
次の瞬間、俺の視界は真っ白になって、
気付いたら、仰向けになって、
頭や背中に振動を感じながら、
白い天井が、視界の中で勝手に流れてくっていう、
よう分からん状況の中に、いた。
亮「あ！よかーまくんっ！！目開けた」
背中の振動が止まると、
白の天井を背景に、色黒の顔が現れた。
このハの字眉毛。
チワワみたいに潤んだ目。
裕「どっくん…」
と、その名前を呼ぶと、
その目は、更に水分量を増していった。
「横山さん、病院ですよ。分かりますか？」
どっくんの隣に現れた、白衣のおっさんの質問にうなずく。
俺はそのまま、空き病室に入れられ、
手をグーパーしてくださいだの、
膝を曲げてみてくださいだの、指示されて、
言われるままに体を動した。
「問題ないみたいですが、もう少し検査はさせてくださいね。こちらで少々お待ちください」
裕「はい…」
今やっと気づいたけど、
口、何かに覆われているやん。
これ、酸素マスクやんな。
何かムッチャ重病人みたいや。
意識を失ってた上、こんな姿でおったんじゃ、どっくんが子犬化してまうんも、無理ないな。
裕「どっくん…付き添ってくれたん？」
亮「せやで…。むらかみくんと」
ヒナ。
アイツも火の中に飛び込んだはずやけど…。
裕「ヒナは大丈夫なん？」
亮「軽く火傷しただけ。今、その手当てしてもろてる」
そう伝えた後、どっくんのでかい目から、ボロボロ涙が落ちてきた。
亮「ていうかっ！何であんなことしたねん！運よく助かったけど、あまりに無鉄砲や！ドアホ！！よかーまくんのポンコツ！唇オバケっ！白オヤジっ！！」
どさくさに紛れて、かなりディスられてる気するけど←
でも、
よっぽど心配させてしもたみたいやな…。
裕「ごめんな、どっくん」
グスングスンと鼻をすすりながら、『ほんまやで！』と、吐き捨てるどっくん。
裕「…なあ、マルは？」
聞きたくて、聞きたくて、
でも聞きたくない、
そんな思いを、搾り出すと、
どっくんの顔が曇り始めた。
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太陽丸(プロフ) - 凪沙さん» 凪沙さん！ありがとうございます★そんなこと言って頂けるなんて嬉しいです！終わりは自分でもまだ見えません…が、変わらずお付き合いいただけたら嬉しいなと思います！ (2018年7月17日 15時) (
レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - 突然失礼します。いつも更新楽しみにしてます。マルちゃんが助かりますように,と思いながら読ませてもらっています。マルちゃんを幸せにしてほしいっていう気持ちがあるけれどもっと太陽丸さんの小説を読みたいなとも思います。更新頑張ってください！ (2018年7月16日 8時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - 詩暖さん» うわ〜！一気にとは！大変だったでしょう:(T-T):大切な時間を割いてお読み頂いて本当にありがとうございます(*^-^*)しんどいシーンも多いですが、これからも見守って頂けたら嬉しいですｏ(＾-＾)ｏ (2018年7月5日 20時) (レス) id: cfb77a5e73 (このIDを非表示/違反報告)
詩暖(プロフ) - 初めまして。この間、ようやく『逆光』シリーズを読み始めました……一気に読んだのですが、もうマルちゃんが救われますように……と祈るばかりです。すごく引き込まれます。これからの展開、楽しみです。無理なく更新してください。 (2018年7月5日 18時) (レス) id: 4736f0cf92 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ひなばるさん» ありがとうございます！回りくどくて情報過多で、分かりづらくないかなあと不安になっていたので、楽しみにしてくださると言っていただき、とても励みになります！これまでも酷な出来事がいっぱい起きてきていますが、どうか最後まで見守っていただけたらと思います (2018年7月1日 8時) (レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2018年6月19日 14時
