すばるside ページ31
一酸化炭素中毒による、
一時的な意識消失。
命に別状はない。
目立った外傷もほとんどない。
ヒナから届いた、ヨコの容態報告に、
俺は、ひとまず胸を撫で下ろした。
ヨコ。
お前が命をかけて助けに行こうとした弟は、
残念やけど、まだ救出されてへん。
お前は、崩れた天井の下敷きには、なっていなかったそうやな。
それって、奇跡やと思うねん。
落下しきれなかった部分が隙間を作って、
そこにうまいこと入り込んだらしいから。
奇跡は、
二度起こってくれるんかな。
刻まれ続ける時は、
そんな望みさえも、切り刻んでしまいそうや。
ついさっき、パトカーが来て、
倉安が、AD二人を引き渡していた。
今回、アイツらがマルに何をしたんか、知らへんけど…
連れて行かれたってことは、それ相応のことをしたんやろうな。
また、
マルはアイツらに、
傷つけられたんや…。
野次女たちは、差はあれど、
救急搬送されるまでもなさそうやったけど、
まとめて、２台目の救急車に押し込まれとった。
赤い服の女が、顔を火傷しただの、早く乗せろだの、騒いどったから、
さっさと病院に送ってまえと思ったんかな。
３台目の救急車は、すでに要請されてるって話やけど、
サイレンは聞こえてへん。
マル、もうお前らの敵は、
ここにはおらへんで。
せやから、
早よ、顔見せてや。
忠「まるちゃん…」
俺の隣で、泣きながら、
マルの名前を呼び続けている、おーくら。
明里ちゃんは、光のない瞳を、彷徨わせて…。
ヤスは「大丈夫や。助かる」て、
投げ捨てられそうな希望を、この場に留めようと必死やった。
ヨコが救出されて、
どのくらい経ったんか、感覚が分からへんけど、
崩壊した建物は、鎮火した直後、
その焼け焦げた瓦礫から、
何かを抱えて、這い出してくる、救急隊員の姿が見えた。
黒く、小さくなって、
その腕に守られていたんは…
明里「隆平さんっ！」
忠「まるちゃん！」
待って、
待って、
待ち続けた、人物やったんや…。
一目散に駈け寄った。
隊員たちは、用意されとったストレッチャーにマルを寝かせると、取り囲み、慌ただしく容態を確認し出す。
その隙間の向こう側で、マルは…
全身に、傷や汚れをまとって、
血まで流していたけど…
でも、その口元に、確かな動きが見てとれた。
それは…
マルが無意識の中で、必死に、伝えようとしている、
生存の報告のようにも、感じられた。
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太陽丸(プロフ) - 凪沙さん» 凪沙さん！ありがとうございます★そんなこと言って頂けるなんて嬉しいです！終わりは自分でもまだ見えません…が、変わらずお付き合いいただけたら嬉しいなと思います！ (2018年7月17日 15時) (
レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - 突然失礼します。いつも更新楽しみにしてます。マルちゃんが助かりますように,と思いながら読ませてもらっています。マルちゃんを幸せにしてほしいっていう気持ちがあるけれどもっと太陽丸さんの小説を読みたいなとも思います。更新頑張ってください！ (2018年7月16日 8時) (レス) id: b3cf2c91ae (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - 詩暖さん» うわ〜！一気にとは！大変だったでしょう:(T-T):大切な時間を割いてお読み頂いて本当にありがとうございます(*^-^*)しんどいシーンも多いですが、これからも見守って頂けたら嬉しいですｏ(＾-＾)ｏ (2018年7月5日 20時) (レス) id: cfb77a5e73 (このIDを非表示/違反報告)
詩暖(プロフ) - 初めまして。この間、ようやく『逆光』シリーズを読み始めました……一気に読んだのですが、もうマルちゃんが救われますように……と祈るばかりです。すごく引き込まれます。これからの展開、楽しみです。無理なく更新してください。 (2018年7月5日 18時) (レス) id: 4736f0cf92 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ひなばるさん» ありがとうございます！回りくどくて情報過多で、分かりづらくないかなあと不安になっていたので、楽しみにしてくださると言っていただき、とても励みになります！これまでも酷な出来事がいっぱい起きてきていますが、どうか最後まで見守っていただけたらと思います (2018年7月1日 8時) (レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2018年6月19日 14時
