隆平side ページ42
どんな先生なんやろう。
どんな看護師さんがおるんやろう。
どんな療法士さんがおるんやろう。
どんな、患者さんがおるんやろう…。
僕は、新たな出会いにワクワクするような人間やったはずなんに。
今では、不安と恐怖しかない。
リハビリ病院に移って、
大部屋やと聞いた時は、息が止まるかと思った。
嫌がらせされるんやないか。って。
そして、
まだ出会ってもいない人に対して、そんな風に思ってしまう自分が、
情けなくて…悲しかった。
怖い。
家にいたい。
メンバーといたい。
喉まで出かかったその声を、何回押し戻したことか…。
けど、無情にも「その日」は訪れて、
明里ちゃんと、やすばに連れられて、
新しい世界に足を踏み入れることになったんや。
手汗びっしょり。
笑おうとしても頬が引きつる。
鼓動が止まらへん。
呼吸が苦しい。
同室の人たちが、フレンドリーで、ええ人たちやと分かった後も、
みんながおってくれた時間も、帰ってしもた今も、
僕は、声すら発せずにいた。
こんなんじゃ…
呆れられる。
せっかく、気を遣ってくれてるんに、
嫌われて、しまう…。
いじめられて、しまう…。
焦れば焦るほど、喉の塞ぎは強くなり、
ますます声は出づらくなっていた。
「マルちゃん、分かんないことあったら何でも聞いてな」
唇しまいっぱなしの僕の肩を叩いてくれたんは、松ちゃんこと、松田さん。
年上組とタメ言うてたから、2個上か。
入院歴も一番長いらしく、
工事現場での仕事中に骨折をしたらしいけど、
だいぶ回復して、退院も間近なんやて。
率先して、僕を気遣ってくれているんが分かる。
「ここ、病棟全体でムッチャ仲良しやねん。関ジャニ∞みたいやろ？」
少しホッとさせられる関西弁のこの人は、僕とタメのホンちゃんこと、本田さん。
交通事故で、半身麻痺が遺ったんやて。
今は杖をついて、危なげなく歩行できている感じ。
「車椅子仲間が来たー」って、無邪気に喜んでいるんは、まだ20代のトヨちゃんこと豊田さん。
髪の色も明るくて、ピアスしてて、
デビュー当時の、チャラ期の僕らを彷彿とさせるこの子は、
骨肉腫を患い、やむなく右膝から下を切断。
今は義足を付けての歩行訓練をしてる言うてた。
みんなそれぞれ、
重いものを、抱えて、
でも、こうして、毎日を生きている。
僕は、
この人らみたいに、なれるんかな。
壊れてしもた心が、
また、前を向ける日は、
来るんかな…。
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INFINITY(プロフ) - いつも楽しみに見せていただいてます。閲覧希望よろしくお願いします！ (2019年5月20日 1時) (
レス) id: 8ddd0f17c0 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - まとめてしまって申し訳ありません。こちらのページから友達申請をして頂けますでしょうか？→https://commu.nosv.org/bbs/bebe0725 (2019年5月19日 7時) (レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
カナマル - 閲覧希望します！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: cf75a14418 (このIDを非表示/違反報告)
すずまる(プロフ) - 閲覧希望です (2019年5月18日 9時) (レス) id: e1b3b87754 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - はじめまして いつも楽しみにしております 閲覧希望です 宜しくお願いします (2019年5月18日 4時) (携帯から) (レス) id: c42cace51b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2019年3月24日 7時
