忠義side ページ36
ヤスが明里ちゃんとの通話を切った後、
まるちゃんの速い呼吸音だけが、しばらく、リビングの空気を震わせ続けた。
過呼吸は、
吐くより、吸う方ばかりに、偏ってしもてるから、
体の中の、二酸化炭素が不足になってる状態。
紙袋を、口に当てるっていう対処法もあるねんけど、
口を塞ぐことで、その閉塞感が不安を煽り、悪化してまう危険性もあるらしく、
それよりも、気持ちを落ち着かせてあげるほうがええって、
前に病院で聞いた。
横山くんは、それに従って、マルちゃんに寄り添い、背中をさすり続けた。
章「まる」
涙と鼻水で顔を汚したマルちゃんに、絞ってきたタオルを渡すヤス。
マルちゃんはそれを受け取ると、
両手で、口に押し当てた。
過剰に溢れ出す息を、自分の中に留めようとするかのように、力を込めて。
苦しいんやな…。
目がおっきく見開かれて、
充血した眼球から、
相変わらずの震えと共に、涙が落ちていく。
もどかしい。
安心感を与えるんが、一番の薬ってのは分かってるんやけど…。
亮「な、なあ…何かひどないか？」
そうなんよね。
これまで何度か目にした過呼吸より、しんどそうに見える。
章「袋を口に当てるやつ、試してみよか？」
信「余計なことせんほうがええねん。病院でも言われたやろ？」
章「せやったね…」
そう。
俺らは、どうにもできひん現実で、
様子を見守っているしかない…。
マルちゃんって、
こんな小さかったっけ？
寒さに震える捨て犬みたいや。
す「ほれ、水飲み。ストローくわえて、そうそう、で、吸うねん」
ようやく、呼吸のリズムを取り戻したマルちゃんの元へ、
すばるくんが、ストロー差したコップの水を持ってきて、
傍らで『飲み方』を教えている。
前は、渡せば一人で飲めたんに、
今は、こうしていちいち声をかけられなできひんとか…。
周りの手もこれまで以上に必要なって、
マルちゃん、
つらいやろうなあ。
裕「落ち着いたか？」
隆「…ん…」
水を飲みほしたマルちゃんの表情を見てみると、
疲れ果てた瞼に囲まれた、その目は細くなってて、
時々、思い出したようにまばたきをしていた。
亮「まる！」
そんな中、突然、マルちゃんの上半身が、右に揺れ、倒れた。
すぐに横山くんに支えられたけど、
その後もしばらく、
その状態のままで…。
座るバランスもとれへんくらい、脱力しているん？
まるちゃん。
何で、ここまで…。
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INFINITY(プロフ) - いつも楽しみに見せていただいてます。閲覧希望よろしくお願いします！ (2019年5月20日 1時) (
レス) id: 8ddd0f17c0 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - まとめてしまって申し訳ありません。こちらのページから友達申請をして頂けますでしょうか？→https://commu.nosv.org/bbs/bebe0725 (2019年5月19日 7時) (レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
カナマル - 閲覧希望します！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: cf75a14418 (このIDを非表示/違反報告)
すずまる(プロフ) - 閲覧希望です (2019年5月18日 9時) (レス) id: e1b3b87754 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - はじめまして いつも楽しみにしております 閲覧希望です 宜しくお願いします (2019年5月18日 4時) (携帯から) (レス) id: c42cace51b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2019年3月24日 7時
