隆平side ページ3
隆「僕は…こんな情けない人間やったんかな」
大阪では、最終日が終わる頃やろうか。
消灯前のトイレから戻る、病棟の廊下で、
僕は、車椅子に座ったまま、呟いた。
「そんなことないわ」
面白みのない、白い壁が左右を流れていく中、
背中から聞こえたんは、曽根さんの声やった。
隆「でも、こんな精一杯やってるんに…」
やってるんに…
全然歩かれへん。
リハビリ室での、歩行訓練も始まって、
それ以外やて、曽根さんの協力で、病室でこっそり練習してるんに、
睡眠を犠牲にしてまで、がんばっているんに…。
食事やて、
３食しっかり食べてる。
食欲が湧かへんから、胃が拒否して、追い出そうとするけど、
必死に押し込めている。
栄養を摂らへんと、
リハビリの効果も半減なんやろ？
「精一杯やっていないからじゃない？」
走行速度が抑えられることもなく、
後ろから、冷たさすら感じる声が刺さってきた。
「あなたはもっと力を持っているのに、最大限に発揮できていない」
そんな。
これ以上、何を頑張れ言うんよ。
「どこかで制御しちゃっているのね。そのブレーキをブチ壊すくらいの気持ちで行かないと」
隆「…」
「まあでも、それはとてもつらい闘いだから、もう頑張れないというのなら、車椅子生活っていうのも一つの生き方よ」
嫌や…。
自分の足で歩けないままなんて、
嫌や。
またステージに立ちたい。
歌いたい、踊りたい。
駆け回って、全身フル稼働させて、
エイターを、笑わせたい…。
曽根さんは、
たまに、こうして突き放そうとするけれど、
それで、僕の意欲を引き出そうとしているんよね。
「あら、どうしたの？」
病室に到着し、車椅子が止まり、
僕の正面側に回った曽根さんが、シュッと細く描かれた眉を、下げた。
僕の、
悔し涙を目にしたからや。
「泣くのは、力を尽くして、それでもダメだった時まで待ちなさい」
下がっていた眉は、いつの間にか、元の形に戻っていた。
敢えてなんやろうな。
敢えての、厳しい顔。
「ほら、まるちゃんの泣き顔なんて、メンバーもファンも見たくないわよ」
せやんな。
こんな顔、見せた時点で、
『まるちゃん』失格や。
込み上げる嗚咽を飲み込み、
渡されたガーゼで目頭を押さえ、
うつむいて、数秒、細く息を追い出す。
そして、僕は、笑顔で顔を上げた。
大丈夫。
関ジャニ∞に、
帰れる。
僕の中にある、全ての力を絞りつくせば、
そうすれば、絶対…。
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INFINITY(プロフ) - いつも楽しみに見せていただいてます。閲覧希望よろしくお願いします！ (2019年5月20日 1時) (
レス) id: 8ddd0f17c0 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - まとめてしまって申し訳ありません。こちらのページから友達申請をして頂けますでしょうか？→https://commu.nosv.org/bbs/bebe0725 (2019年5月19日 7時) (レス) id: c53d241486 (このIDを非表示/違反報告)
カナマル - 閲覧希望します！ (2019年5月18日 22時) (レス) id: cf75a14418 (このIDを非表示/違反報告)
すずまる(プロフ) - 閲覧希望です (2019年5月18日 9時) (レス) id: e1b3b87754 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - はじめまして いつも楽しみにしております 閲覧希望です 宜しくお願いします (2019年5月18日 4時) (携帯から) (レス) id: c42cace51b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2019年3月24日 7時
