章大side ページ45
マル、別に悪いことしたわけやないんやから、
そのくらい大目に見たっても、ええやんなあ。
なんて言うたら、信ちゃんにドツかれるからやめとくけど←
忠「で、でも、まるちゃん、１月だか２月だかにラジオ出たやん。あそこで全部打ち明けたんは、十分なけじめになったと思うんやけど」
あー。
そういえば、そうやったなあ。
マル、信ちゃんのレコメンにゲスト出演させてもらった時、
病気のことも、障害のことも、ちゃーんと告白した。
泣きながらやけど。
隆「…ちゃうねん…」
マルが首を振った。
隆「あの時は、ただ事実を伝えて、誤解を解きたかっただけ。でも今はそういうんやなくて…」
そう言って、言葉の選別でもしているかのように、数秒間、黙り込んで、
隆「エイターにな、僕の元気と笑顔を見てもらいたいねん」
そんなシンプルで、
ファンを大切に思うマルらしい、まっすぐな気持ちを、
僕らに教えてくれた。
元気と笑顔か。
確かに、カラ元気とニセ笑顔なら、ムッチャ無理して作ってたけど、
マルは、
病気なる前みたいな『マルちゃん』を、
また、見てもらいたいんやな。
たった一度でもええって言うてたんは、
エイターの記憶に残る、最新の自分の姿を、
元気印のマルちゃんに、書き換えたいってことやんな。
その思いは切実すぎて、
でも、現実的には無理な話で、
みんなも、複雑そうな顔をしとった。
こんな空気なったら、
もうええよ。ごめんな。って、
マル自ら、話を打ち切りそうなもんやけど、
今回は、そんな様子も、まるで見えなくて…。
明里「…どうにか、できないのかな」
明里ちゃんが、助けを乞うように、僕らの顔を見回す。
明里ちゃん、マルの願いを叶えたいんやな。
僕もそうや。
きっと、みんなも…。
亮「なあ、ダメ元で、打診できひんの？むらかみくん」
信「は？俺？」
忠「せや！偉い人と繋がってる信ちゃんこそ適任やろ！頼んでみてや」
信「そんな厚かましいこと言えるか！」
忠「厚かましいんがウリやんか！な、その力で、ゴリ押しできひんかな？」
ゴリラだけにな…って、言いそうになって慌てて口を塞いだ←
信「無理や無理！」
ん？
この流れ、どこかで。
亮「…むぁかみくぅん…」
出た！豆柴りょんのうるうるおねだり←
これは、ドラ〇エでいう、毒針並みの威力を持つ技や。
信「…まあ、頼むだけやで」
見てみいや！この変わりよう！
見事に、母性本能のツボを刺したな←
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2018年9月9日 8時
