続・逆光【橙】４ (ページ42)

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忠義side ページ42

先週、横山くんとヤスの舞台を観に行ったマルちゃんやけど、

正直、俺の舞台に来るんは難しいかなーって、思ってた。

やって、ここ…

去年、マルちゃんがマクベスを演じた劇場、グローブ座なんやもん。

病気が分かって、脱退も決めて、

でもそれを、メンバーの誰にも言わんでいたマルちゃん。

神経が腫瘍に圧迫されて、激しくなってく痛みを、

強い鎮痛剤でごまかして、

その副作用で、お腹が痛くなったり、気持ち悪くなったりする、最悪なコンディションの中で、

30回以上も、このグローブ座で、マクベスを演じきった。

どれほどの地獄やったかと思う。

俺やったら、そんな場所、もう入りたくない。

せやから、無理はせんでって、伝えてあんねん。

俺は亮ちゃんと違って、

俺のだけ来てくれへん…なんて、泣いたりせんからなっ←

でも、やっぱり…

本音を言えば、

がんばってる姿、観てほしかったから、

マルちゃんが、楽屋に顔を出しにきてくれた時の嬉しさは、半端なかった！

あ、もちろん、

すばるくんと明里ちゃんが来てくれたんも、嬉しかったで←

マルちゃんに関しては、諦めがあったから、余計に喜びがでかかっただけでな。

てか、更に驚いたんは、変装せんで観劇してたってことや！

観客に頼まれて、パーンもしたらしいし、

調子乗って、凍てつく新ネタを放って、どうにも回収できひん空気にしやがったって、

すばるくんがボヤいてた←

それにしても…

車椅子になってから、外に出る時は、姿を隠すように、縮こまっていたマルちゃん。

横山くんやヤスの舞台も、ガッツリ変装して行ったらしいのに。

何で今日は…。

隆「お世話になった思い出の場所やからなあ…顔を隠していくんは失礼な気がして…」

俺の疑問に、マルちゃんはそう答えてきた。

真面目やなあ。

そう感心したんも束の間、

隆「あと、裕ちんや章ちゃんの時、あんなにエイターがおる中で何も騒がれんのが、ムッチャ寂しくなったんよ！その時気付いてん。僕、女の子にキャーキャー言われたいんやって」

す「お前、変わりすぎて戸惑うわ」←

確かに。

病気してからずっと、奥底に引っ込んでた、目立ちたがり気質が、顔を出してきたように見える。

無理に引っ張り出してきたような感じも、せんでもないけど。

…まあ、

ええか！

素直に喜んどこ♡

変な気持ちにさせる魔術師、マルちゃんが戻ってきたんや。

またアホなギャグを吐き散らかして、たちょんの腹筋を崩壊させてや←