裕side ページ3
泣いてまうほどやなんて。
よっぽど、不安やったんやなあ。
どこに帰ればええんやろうって。
それならもっと早く決めて、
もっと早く、マルに伝えられてたらよかったな。
そしたら、入院中の心の重みも、少しは軽減できてたやろうに。
マルは、体が不自由やから、
人ん家に住まわせてもらうことに対して、ひどく罪悪感があるんやろう。
どう頑張ったって、手を借りんとアカン場面も多くなってくるから。
せやから余計に『お荷物』って意識が強いんかもしれへんな。
そう思っとったとしたら、
前の病院から退院する時に、俺らが起こしたいざこざ。
マルの帰る場所で揉めてしもた時なんて、
ほんまに、つらかったよな…？
あれで、自分が重荷になるっていう気持ちが強くなっとったとしたら、
悪いことしたと思う…。
今回やて、不安になってまうよな。
でも大丈夫やで。
誰も、お前をお荷物なんて思ってへん。
お前が、不安なく穏やかに過ごせることが、
俺らの一番の望みなんやからな。
どっくんなんか、
今度は、俺の家に来てもらおう思てたのに！とか、眉毛下げてキャンキャン言うてたくらいやで←
そういえば、どっくんって前から、マルんとこ誘ってたもんな。
一緒に住もう一緒に住もうって。
断られ続けてたけど←
おん。俺も、それは反対や←
どっくん、ええ子やけど、感情的になると、要らんこととか、キツいこと吐くから、
同居は避けた方がええ、絶対。
たまにヒナの家に来て、可愛え子犬として、癒しになってくれればええねん←
これは、どっくんにしかできひん技やからな←
重要な役割やで。
迎えた退院当日。
病棟の看護師さんに見送られて、
車椅子に乗ってきたマルを、ほぼ抱っこの状態で、後部座席に移動させた。
車椅子は折りたたんでトランクや。
ちなみに、同乗してるんは明里ちゃん。
明里ちゃんは入院中、ずっとホテル住まいやったからなあ。
オレンジ色のボストンバッグは、だいぶ膨れていた。
裕「ほんじゃ、行くで」
明里「あ！待って」
エンジンを掛けた時、明里ちゃんから突然の待ったがかかる。
彼女が降りて、駈け寄った先を見てみれば、
女の子が二人、遠慮がちにお辞儀をしてきた。
あれは、
蜜柑と、檸檬？
明里「隆平さん、二人が、退院おめでとう、言いたいって」
隆「あ…ほんまに？」
車の中に戻ってきた明里ちゃんに伝言されると、
マルの頬に、笑みが浮かんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：太陽丸 | 作成日時：2018年9月9日 8時
