忠義side ページ1
何やねん…。
どうせ、自分が食いたいから作ってきたんやろ！
マルが無理して食って、吐いたらどうすんねん。
って…
亮ちゃんが意地悪ばっか言ってくる。
そんなんやないもん…。
まるちゃんがお風呂許可されたって聞いたから、
純粋に、みんなでから揚げ食べながら、ワチャワチャとお祝いしたかっただけやのに。
気付けば、自分でも分かるくらい、下唇が出ていた←
す「亮、お前言いすぎやねん」
章「せやで。おーくらも、一生懸命作ったんやから」
やすば兄ちゃんが、険しい顔して、意地悪亮ちゃんを咎めると、
今度は亮ちゃんが眉毛を下げた。
亮「何やねん！何やねん！俺はマルの体を心配してるだけやんか！」
隆「ちょ、みんな、落ち着いて。一旦落ち着いてやあ…」
喧嘩がエスカレートしそうな気配に、
マルちゃんが、オロオロしながらキョロキョロする。
こんなつもりやなかったんに…。
両手で持った、から揚げの重箱が、
途端に、ずしっと重く感じられた。
久々にまるちゃんの笑顔、見れるかなって、楽しみにしとったのに。
す「気にすな気にすな。亮、バナナジュース持ってくるん我慢してるから、悔しがってるだけやねん」
耳元で優しく呟き、肩を叩いてくるすばる兄ちゃん。
そっか！
そういうことか！
ただのヤキモチか！
そうや、亮ちゃんは５歳やもんな！←
仕方ない！
俺がお兄ちゃんになってやらな！←
忠「まあええよ。から揚げなんていつでも作れるし♡ところで！マルちゃん、退院はいつになったん？」
す「切り替え早っ！」
それが俺のええとこやもん♡
隆「おん、骨折の状態を見て、来週中にはって言われた」
まるちゃん、ニコニコしてる。
くっついても、この前みたいに、嫌そうやないし。
やっぱなあ。
俺的には、この前との違いは、
ええアロマの香りがするなーってくらいで、
まるちゃんに触れた感覚は、大して変わらへんねんけど、
本人にしてみれば、
全然違うんやろうな。
カテーテルも取れたみたいやし、
これから少しずつ、車椅子に乗る練習していくんや。
腫瘍摘出手術の後やって、ベッドから車椅子に移るだけで、ガタガタ震えて、ムッチャ時間かかってたけど、
それが、歩行器で移動できるまでに回復したんやもん。
今回の怪我で、それは奪われてしもたけど、
またやり直せばええ。
俺らは何度でも付き合うから。
必ずまた、
自立できるようになるから。
がんばろうな、まるちゃん！
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2018年9月9日 8時
