隆平side ページ49
「特別なことをやれって言っているわけじゃないんですよ！仕事に出ようが出まいが、家事育児は妻がやって当たり前だっていう態度が憎たらしくてっ」
入院初日から世話してくれている、同年代の看護師、平野さんが、旦那さんへの不満を吐きながら、
朝ご飯が乗ったトレーを、音を立てて、サイドテーブルに置く。
スープが波立ってしもてるやん。
ご飯に罪はないんやから、乱暴にせんとってやあ←
隆「平野さん、がんばってはりますよ。見てる人はちゃんと見てます！少なくとも僕は」
「ありがとうございます！あー丸山さんが旦那さんならよかったのに」
隆「それはアカンですよー！僕はアイドルですから。みーんなの彼氏です」
「ふふ。そうでしたね。でも聞いてもらえるだけで、気持ちが楽になりますよ。ありがとうございます」
隆「愚痴くらいいくらでも聞きますよ〜またどうぞ」
「はーい。それじゃ、ちゃんとご飯食べてくださいねー」
笑顔になって病室を去る平野さん。
見届けた途端、表情筋の力が抜けていく。
アイドル？
無意識に声に出ていたフレーズを思い出して、無表情の上を笑いがこぼれ落ちる。
ちゃうやん。
僕はもう、アイドルやない。
自分勝手に、グループを、ファンを傷つけて逃げた、ただの裏切り者や。
嫌になる。
そんな自分も、
こうして、いい人ぶって、愚痴を聞いて、疲れ果てている自分も。
身の回りのことを助けてくれる看護師さん。
数日後には、僕の体から病魔を追い払ってくれるお医者さん。
僕の命を預かってくれている人たちに対して、
せめてもの恩返しのつもりで、元気な素振りを見せたり、
悩み相談を聞いたりしているわけなんやけど、
無理してるなあて、自分でもよう分かる。
反動で、毎日来てくれる明里ちゃんには、愛想のひとつも向けられへん。
隆「痛いなあ…」
体の苦痛を口にするんも、一人でおる時限定。
病気やから、この場所におるんにな…。
痛みを悟られまいと必死になるとか、
何をしとるんやろね。
すぐそばに朝食が置いてあることは分かってるんやけど、
相変わらず、手を伸ばす気にはなれへん。
食欲が湧かへんのもあるし、
最後の仕事で、無理に食べて、戻した時の苦しさを思い出してしまうねん。
また、気持ち悪くなったらどうしよて。
怖いねん。
でも、少しでも減らしておかな…。
心配されてしまうもんな。
僕は腰を庇いながら、重たいサイドテーブルを、自分のほうに寄せた。
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太陽丸(プロフ) - bvKUv1NtafOSKCqさん» ご心配おかけして申し訳ありません。ちょっと帰省しており、なかなかパソコンに向かう時間が取れずです。家に帰れば更新できるかと思いますので、もう少々お待ちくださいね（停止はしません！） (2017年1月5日 14時) (
レス) id: bbe99994ef (このIDを非表示/違反報告)
bvKUv1NtafOSKCq(プロフ) - 更新最近なされてないようですがだいじょーぶですか？早く更新してくれると嬉しいです！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: a099b63048 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ぱんだ野郎。さん» ぱんだ野郎さんはじめまして！コメありがとうございます！これまでのも読んでいただけているということでとてもありがたく、嬉しいです★そしてマルター仲間ですね！つらいお話ではありますが、見守っていただけたら幸いです。 (2016年12月17日 7時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ野郎。 - 初めまして！太陽丸さんの作品は全部見てます！私の自担のマルちゃんの作品で、楽しく読ませていただいてます！更新頑張って下さい！応援してます！＾＾ (2016年12月16日 17時) (レス) id: 378ad6053e (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - よんぱちさん» 読者数は増えていっているのに、コメントはなかなか届かず、どういう思いで読まれているのかなあと不安になっていたところ、よんぱちさんに救われました！どうもありがとう＞＜。嬉しいです (2016年12月14日 6時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2016年12月7日 8時
