あなたside ページ44
隆平さんが、エイトから名前を消そうとしている？
明里「…隆平さん、ちょっと一旦、深呼吸して。落ち着いて」
蒼い顔をして、声震わせて、そんなこと言われたって、
何の説得力もないけれど、
隆平さんの瞳に刻まれた決意は、思った以上に強かった。
今、手放してしまったら、本当に、見えない場所に消えていってしまいそうで。
何とかして、引きとめなきゃっていう一心だった。
でも…
隆平さんは、そんな私の言葉に対して、反発を示すかのように、唇をしまい込み、
首を振った。
隆「もう決めたから」
人の希望に沿おうとする柔らかさを持つ一方で、
時に、テコでも動かない頑固さも持ち合わせている心。
彼の決意を揺るがす方法は、ないの？
考えても考えても、分からなくて、
しまいには、また涙が溢れてきてしまった。
泣かないって、決めたばかりなのに。
また隆平さんに嫌な思いさせてしまう。
怒られちゃうかな。
怯えながら、前を向いて、声を殺し、唇を噛みしめていると、
背後からオレンジ色のハンドタオルが現れて、静かに左頬に当たった。
それを持つ指を、目で辿っていくと、
到着したのは、大好きな人の、悲しそうな笑顔。
隆「いっぱい泣かせてもうて、ごめんな」
明里「隆平さん…」
隆「これ以上、明里ちゃんの涙を、僕のために使ってほしくないねん。だから…今すぐにでも、マネージャー辞めよ？」
お日様みたいな、温かな声で、
氷柱みたいな、鋭い言葉を、刺す…。
隆「一番都合のいい理由を付けてくれてええよ。正直に、強引に辞めさせられた言うてくれてもええし、自己都合でやめざるをえなくなった。それでもええ」
…どうしてそんなに勝手に話を進めていっちゃうの？
待ってよ…隆平さん。
隆「マクベス始まったら、これまで以上に、僕はピリピリすると思う。明里ちゃんに強く当たったり、傷つけてしまうことも…あるやろう。せやから、その前に辞めれるようにしとこな」
隆平さん
これからあなたの心が荒れてしまうなら、なおのこと…
私はそばにいたいのに。
でも、私のせいだよね。
泣いてばかりだから…。
優しい隆平さんは、罪悪感に駆られているに決まっている。
無能なマネージャーなだけでなく、
あなたの心のための、サンドバック代わりにもなれない…。
情けなくて、悔しくて、
それなのに、その憎き液体は、いつまでも目から落ち続け、
オレンジのタオルを、重くしていった。
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太陽丸(プロフ) - bvKUv1NtafOSKCqさん» ご心配おかけして申し訳ありません。ちょっと帰省しており、なかなかパソコンに向かう時間が取れずです。家に帰れば更新できるかと思いますので、もう少々お待ちくださいね（停止はしません！） (2017年1月5日 14時) (
レス) id: bbe99994ef (このIDを非表示/違反報告)
bvKUv1NtafOSKCq(プロフ) - 更新最近なされてないようですがだいじょーぶですか？早く更新してくれると嬉しいです！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: a099b63048 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ぱんだ野郎。さん» ぱんだ野郎さんはじめまして！コメありがとうございます！これまでのも読んでいただけているということでとてもありがたく、嬉しいです★そしてマルター仲間ですね！つらいお話ではありますが、見守っていただけたら幸いです。 (2016年12月17日 7時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ野郎。 - 初めまして！太陽丸さんの作品は全部見てます！私の自担のマルちゃんの作品で、楽しく読ませていただいてます！更新頑張って下さい！応援してます！＾＾ (2016年12月16日 17時) (レス) id: 378ad6053e (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - よんぱちさん» 読者数は増えていっているのに、コメントはなかなか届かず、どういう思いで読まれているのかなあと不安になっていたところ、よんぱちさんに救われました！どうもありがとう＞＜。嬉しいです (2016年12月14日 6時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2016年12月7日 8時
