隆平side ページ41
重い足取りで、エレベータに乗り込むと、
途端に漏れ出す、情けないしゃっくり。
アホみたいや。
こんなん、誰かに見られたらおしまいやわ。
途中の階で止まらないことだけを願いながら、
閉じ込められた箱の中、ただ、涙を流すしかなかった。
目的の階で扉が開くと、僕は再び顔を隠し、その箱から抜け出した。
狭く曖昧な視界の中を泳いで、ようやく自宅には到着したものの、
玄関で崩れ落ちた足は、そのまま動けなくなった。
痛みのせいだけやない。
悔しさと悲しさと、怒りと、恐怖と、
他にも、名付けられないたくさんの感情が押し寄せ、
その圧力に耐えられなくなったんや。
声を上げて、上着に涙を追加し続けながら、
僕は、考えていた。
これからの道。
ちゃんと選択せなアカンて。
自分のためだけやない。
明里ちゃんのためにも…。
仲間たちのためにも…。
いつまでも、どうすればええか分からん、なんて、グズグズしてちゃアカン。
こうしている間にも、時間は過ぎていく。
腫瘍は、少しずつ大きくなっていくんや。
…ほんまは、これからも、みんなと一緒に仕事をし続けたい。
死ぬまで、
『関ジャニ∞の丸山隆平』として、
生きたい…。
でも、
それは僕の望み。
自分の勝手な望みのために、みんなの仕事の足を引っ張るわけには、いかんねん。
…
玄関で一人、頭を抱えたまま、一体どのくらいの時間を消費したやろう。
僕は、ドアノブを支えにようやく立ち上がって、靴を脱ぎ、フラフラとリビングに向かった。
電気もつけず、引かれるようにして辿り着いたんは、部屋の窓。
そこに映っていたんは、迫ってくるような、大きな満月。
その光に、祈った。
大切な人たちが苦しまないために、僕が選ぶべき道を、教えてください。
これからの僕が歩き出す方向を、示してください。
…月は、何も言ってはくれへん。
だけど、僕には見えた。
月光の中に、淡く浮き出してきた、ひとつの残酷な道しるべ。
その道の先には、闇に包まれた未来しか見えない。
でも、僕は分かっていた。
みんなに迷惑を掛けないためには、
その道を選ぶんが、ベストやって。
もしかすると、
命を失うよりもつらい選択かもしれへん、
だけど、
僕は、夜空がくれたその道しるべを、
素直に受け入れた。
自分の出した答えとして、
胸に打ちつけ、固定したんや。
心の血を、滴らせながら…。
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太陽丸(プロフ) - bvKUv1NtafOSKCqさん» ご心配おかけして申し訳ありません。ちょっと帰省しており、なかなかパソコンに向かう時間が取れずです。家に帰れば更新できるかと思いますので、もう少々お待ちくださいね（停止はしません！） (2017年1月5日 14時) (
レス) id: bbe99994ef (このIDを非表示/違反報告)
bvKUv1NtafOSKCq(プロフ) - 更新最近なされてないようですがだいじょーぶですか？早く更新してくれると嬉しいです！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: a099b63048 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ぱんだ野郎。さん» ぱんだ野郎さんはじめまして！コメありがとうございます！これまでのも読んでいただけているということでとてもありがたく、嬉しいです★そしてマルター仲間ですね！つらいお話ではありますが、見守っていただけたら幸いです。 (2016年12月17日 7時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ野郎。 - 初めまして！太陽丸さんの作品は全部見てます！私の自担のマルちゃんの作品で、楽しく読ませていただいてます！更新頑張って下さい！応援してます！＾＾ (2016年12月16日 17時) (レス) id: 378ad6053e (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - よんぱちさん» 読者数は増えていっているのに、コメントはなかなか届かず、どういう思いで読まれているのかなあと不安になっていたところ、よんぱちさんに救われました！どうもありがとう＞＜。嬉しいです (2016年12月14日 6時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2016年12月7日 8時
