隆平side ページ38
明里「…ちょっと、失礼します…」
突然、椅子から立ち上がったと思ったら、顔も向けずに、部屋から出て行く明里ちゃん。
今、マネージャーやスタッフを交えての、ある打ち合わせ中なんやけど、
３度目の退室や。
信「何や、最近よういなくなるな、腹の調子でも悪いんか、明里ちゃん」
す「きっと女の子の期間中なんや。せやろ？ヤス」
裕「何でヤスに聞いてんねん！」
章「そんな感じやねえ。でもそろそろ終わるんやない？」
裕「ヤスも何で普通に答えてんねん！」
なんて…メンバーはいつものワチャワチャに変えてしもたけど、
ちゃうよ…。
今頃、一人で泣いているんや。
今日だけやない。
忘れ物だの用事だの言い出しては、
顔伏せて、逃げるように、姿を消していくんを、
病気を伝えたあの日から、何度も目にしている。
そして、戻って来た時の目は、腫れているんや…。
明里ちゃんは、そんな顔を隠そうとするし、メンバーもわざわざ覗きこんでまで見いひんから、今のところ、気付かれている様子はない。
でも、僕は分かる。
僕のことで、泣いてるんやって。
あの子はええ子やから、
病気を隠して仕事している僕を見て、胸を痛めてくれてるんや。
正直、僕はうんざりやった。
心配してくれる優しい気持ちを鬱陶しがるなんて、最低やと思う。
でも…
ほんまに、迷惑なんよ。
同情の視線を受け続けること。
マクベスの幕開けまで、あと２週間くらいかな。
この日の夕方は、いつもよりも多くの痛み止めを飲んで、稽古に臨んだんやけど、
それが終わって、車に乗り込んだ途端、効果が切れたみたいで。
隆「っ…痛いっ…」
いつも以上の痛みが走り、つい声をあげてしもたもんやから、
すぐに明里ちゃんは、運転席を降り、後部座席に駆け込んできて、腰を押さえる僕の隣に座ってきた。
明里「大丈夫！？」
隆「…大したことないて」
明里「横になる？…どういう体勢が楽だろう。えっと…」
動揺しながら、隣りで、痛ましそうに僕を見ている。
そんな顔、せんとってよ…。
僕は、痛みを紛らわそうと、唇を噛んだ。
その姿がまた、明里ちゃんの不安を煽ってしもたみたいで…。
明里「隆平さん…」
僕を呼ぶ声を同時に聞こえてきた、すすり泣き。
首を捻ってみると、その頬には、ボロボロと涙が伝っている。
何で、
何で明里ちゃんが泣くんよ。
泣きたいんは…僕のほうや…。
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太陽丸(プロフ) - bvKUv1NtafOSKCqさん» ご心配おかけして申し訳ありません。ちょっと帰省しており、なかなかパソコンに向かう時間が取れずです。家に帰れば更新できるかと思いますので、もう少々お待ちくださいね（停止はしません！） (2017年1月5日 14時) (
レス) id: bbe99994ef (このIDを非表示/違反報告)
bvKUv1NtafOSKCq(プロフ) - 更新最近なされてないようですがだいじょーぶですか？早く更新してくれると嬉しいです！ (2017年1月4日 22時) (レス) id: a099b63048 (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - ぱんだ野郎。さん» ぱんだ野郎さんはじめまして！コメありがとうございます！これまでのも読んでいただけているということでとてもありがたく、嬉しいです★そしてマルター仲間ですね！つらいお話ではありますが、見守っていただけたら幸いです。 (2016年12月17日 7時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ野郎。 - 初めまして！太陽丸さんの作品は全部見てます！私の自担のマルちゃんの作品で、楽しく読ませていただいてます！更新頑張って下さい！応援してます！＾＾ (2016年12月16日 17時) (レス) id: 378ad6053e (このIDを非表示/違反報告)
太陽丸(プロフ) - よんぱちさん» 読者数は増えていっているのに、コメントはなかなか届かず、どういう思いで読まれているのかなあと不安になっていたところ、よんぱちさんに救われました！どうもありがとう＞＜。嬉しいです (2016年12月14日 6時) (レス) id: b888e4788c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太陽丸 | 作成日時：2016年12月7日 8時
