6-2 ページ15
「そんで、また作ってんのか？」
「うん」
窓から差し込む太陽の光を透かすと、キラキラと中が光を反射させる。両親が夫婦水入らずで買い物に行っている中、家のリビングには幼馴染の男と私がいた。
「綺麗やろ」
「女子が好きそうやな」
ネックレスになるように金具を通し、余った包装紙に包んでおく。
「出品したん全部売れたから」
「そんな売れるもんなん？」
「ううん。売れへんって聞いててんけど…」
「へぇ、よかったな売れて」
「ほんまにね」
金銭的なトラブルもなく、故障もせずに無事に商品は届いたらしい。何人かにはお礼メールも頂いた。気に入って使っていると言っていただけて嬉しい。
作業がひと段落し、男をちらりと見るとソファでぐったりしていた。少し驚くも、理由はすぐわかる。
「…冷房下げるわ」
ぴ、とリモコンを押す。暑さに弱すぎる男とわこは、恨めしいようにこちらを見る。
「もうちょっと早よ気づけ」
「言えばええやんか」
「君の作業が止まるから気を使ったんです〜」
「はいはい、どーも」
冷蔵庫から冷やした麦茶を取り出す。ちなみにこの男がこの家にいる理由はうちの家の庭の掃除メンバーだからだ。この前暇だった私がこの男の実家の庭の片付けを手伝ったところ、この男が派遣されて来た。休みだから帰ってきたのに可哀想なものである。アクセサリーを私が作っている間、こいつは嫌々ながらも黙々と作業をこなしていた。
「はい、お茶」
「どうも」
私の分の麦茶を片手に、私もソファに座る。ここが一番冷房が効くのだ。
「今年頭おかしいくらい暑くない？」
「あんたそれ毎年言うてる」
「毎年頭おかしくらい暑いんやからしゃーないやんけ」
「私に怒らんといてよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬ - ああああああ！！！！更新停止……！！！数年前の作品ですしもう届かないかもしれないですが文章から情景がとても伝わってきて好きです……！！ (2020年10月19日 1時) (
レス) id: 34bf2c87c5 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - SAKANAさん» や！やった〜！とっても嬉しいです！今忙しくて更新進めるのも遅くなりそうなのですが、よければまた見てやってください〜！ (2018年7月22日 21時) (レス) id: 1c2917eb3f (このIDを非表示/違反報告)
SAKANA(プロフ) - 好きです…とわぽんのこういう夏のお話待ってました…夏の暑さ、息苦しさなんかが文章一つ一つに感じられて好きです…更新頑張ってください… (2018年7月21日 21時) (レス) id: a3a9931e24 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - しぃさん» ありがとうございます！体調が芳しくなく、進みが遅いのですが気長に待ってやってください (2018年6月22日 23時) (レス) id: d1689b7237 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 文章から情景が浮かんで見えるようで、作品全体から夏独特の切ないような雰囲気を感じて凄く好きです。更新楽しみにしています！ (2018年6月22日 16時) (レス) id: a19881d269 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もっち | 作成日時：2018年6月4日 11時
