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正直、意外だった。
何を考えているかわからないのはリリーの専売特許みたいなもので、いつでもそのポーカーフェイスを崩さない、鉄壁のディフェンスみたいなところがあって。
さっきといい、今といい、こんなふうに目まぐるしく様子が変わるところなんて、見たことがあっただろうか。
振り回すほうが得意なはずなのに、逆に振り回されているとは。
(...やるやん、A)
心の中で呟く。
「でも、うまくいっとるんは、いっとるんやろ？」
「うまく...どうなんすかね。わからん」
「え、なに、なんかめずらしく弱気やな」
「だって怖いやないすか、」
自分から好きになってつき合うのって。と、恋に目覚めたばかりの少女のように呟いて、リリーは深く溜息をついた。
「いつも言い寄られてばっかりやからそんなことになんねん」
「まあそれはそうなんすけど」
「うわ、自分で言うた」
「ゆず兄やってそうやないですか」
「いや、俺は...まあええわ」
リリーの話を聞きながら想像してみた。
俺だって、もしかしたら同じことを考えるかもしれない。
もしリリーの立場に俺がなったとしたら、今までつき合ってきた "なんとも思っていない子" 達みたいに、Aとつき合っていける気がしない。
今だって、Aの言葉や行動にあっちこっちと左右されて、年甲斐もなくはしゃいだり、自分を見失うくらい狼狽えたり、そんなことばかりなのに。
もしつき合えたとしたら、二度と離したくなくなって、いつか離れるかもしれないことが、とんでもなく怖くなる。
それくらい、好きだから。
思いが叶っても、それはそれでつらいこともあるのだと思うと、何が正解なのかわからなくなる。
惚れたもん負け、って、こんな感じのことを言うのだろうか。
「でも、俺はおまえが羨ましいわ」
リリーの目が不思議そうに俺を見る。
「そんな必死になれるって、ええことやと思うけど」
「ポジティブやなぁ」
「おまえのそういう顔見れんのもなかなかないしな」
「恥っず」
「動画で流したろか」
笑ってスマホを向けたら、グーで思い切りパンチされて、右肩がびりびりとしびれた。
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えむ(プロフ) - ハンナさん» ハンナさん、いつもありがとうございます！そう言っていただけるとやる気が出ます笑 #2でお待ちしていますね☆ (2021年5月22日 10時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - ンフフフ…やっぱりえむさんの書くお話…好きです……たまらんです☆続きが楽しみ…… (2021年5月22日 0時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年5月4日 22時
