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「こんなことするやつちゃうかったけどなぁ」
呆れて濱が言うのを、その何倍も呆れた気持ちで見ていると、今度は俺のスマホが鳴った。
「...なんやこれ」
見るとAからで、送られてきたのは料理の写真だった。
黄色やオレンジ、紫に緑。カラフルな花弁が散らされた、色鮮やかな、まるで花束みたいなサラダ。
TVで見たことがある。
おそらく食用花で、たしか、ビタミンやミネラルが豊富で、意外と栄養価も高いらしい。
" めちゃくちゃきれいだよー "
濱に届いた写真の中のAが撮っていたのはこの写真だということに気づいて、重かった胸の中が、陽の光が差したように晴れて急に明るくなった。
他の男といるときに思い出してもらえるとか。
こんなに誇らしいことって、他にないかもしれない。
その心の中に数パーセントでも居場所があるのだと知って、どうして俺を選んでくれなかったのだと腐ってばかりいたところだっただけに、この上なく、たまらなく嬉しくなった。
目の前でうかれているやつには本当、悪いとは思う。
悪いとは思うけど、やっぱり...嬉しい。
" どこ？こんなとこよう知ってんな "
" 歩いてて目についたとこ "
" ええやん。むっちゃ映えとるやん "
" 今度ゆずるさんも連れてきてあげるね！ "
あげるね、って。
得意げな顔が目に浮かんで、思わず吹き出した。
濱が不思議そうに視線を上げて俺を見る。
「...ま、せいぜい仲良おやって、て感じ」
言いながら、緩んだ顔を一瞬で元に戻す。
スマホをテーブルの下に投げ出して、Aとのメッセージとは真逆の強気な態度を、濱に取り繕った。
「リリーも楽しそうで良かったやん」
「まあ、楽しそうではあるな」
「ええんちゃう、ふたりともええ大人なんやし」
「そうやな。ゆずるがそう言うんなら、俺もそう思うわ」
「そのかわり、大事にせんかったらまじで許さんけど」
関係性や立場なんてどうであろうと、好きなもんは好き。
所詮、恋愛なんてそんなもの。
コントロールできるのなら、もうとっくにしている。
その翌日は仕事が押してしまって、Aには会えなかった。
合鍵はしばらくAの元に渡ったままになった。
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えむ(プロフ) - ハンナさん» ハンナさん、いつもありがとうございます！そう言っていただけるとやる気が出ます笑 #2でお待ちしていますね☆ (2021年5月22日 10時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - ンフフフ…やっぱりえむさんの書くお話…好きです……たまらんです☆続きが楽しみ…… (2021年5月22日 0時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年5月4日 22時
