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「普通、やな」
「普通か」
「濱は？」
「俺も普通」
どこが普通やねん、と心の中で悪態をつく。
朝から晩まで表に出まくっておいて、これが普通だというのなら、今までのはいったい何だったんだ。
今日だって、俺らは濱の番組のゲストで呼ばれているわけだし。
みんながよく言う「見ない日はない」という言葉がこんなにも似合うようになるとは、同期ながら感心してしまう。
もう、羨ましいを通り越して、体大丈夫かな、とか、ちゃんと食って寝てるかな、とか、親みたいなことを思ってしまう俺がいる。
「ほんまに普通？」
俺が言おうとしていたことを、逆に聞かれた。
「え、うん。なんで？」
「俺んとこにも報告あったから」
報告。濱家。
このふたつだけで濱が何を言おうとしているのかがわかってしまって、途端に気分が重くなった。
「...報告？」
「リリーの件やで」
「あ、そう」
知らないふりをして流そうとしたところを、ガッチリ掴まれて、身動きが取れなくなった。
右手に持ったままだったスマホに目を落とし、興味のなさをアピールしたつもりだったけれど、そんなのも、今の濱には無駄のようだった。
「今日めし誘ったら、デートやって断られてん」
「デート、ね」
「やっぱり聞いとるんやな。Aから？」
「まあ、そやな。昨日用事あって連絡とってたから」
賢ちゃんに言い訳したときと同じ台詞で、芸のなさに、自分でもちょっと笑ってしまう。
スマホを見ていたら、昨日の夜に見たリリーからのメッセージに返信をしていないことを思い出して、もう一度開いてみた。
"つき合うことになりました" の文字を改めて目で辿ると、怒りなのか落胆なのかよくわからない感情が湧いてきて、やっぱり返信を打つ気にはなれなかった。
既読になっていることだし、もうそれでいいことにしておいてほしい。
いや、でも、「おめでとう」のひとことくらい言っておかないと、自分が惨めになるだろうか。
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えむ(プロフ) - ハンナさん» ハンナさん、いつもありがとうございます！そう言っていただけるとやる気が出ます笑 #2でお待ちしていますね☆ (2021年5月22日 10時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - ンフフフ…やっぱりえむさんの書くお話…好きです……たまらんです☆続きが楽しみ…… (2021年5月22日 0時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年5月4日 22時
