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「え...ほんまに？？」
「うん」
「なんで？だって...賢ちゃんは？」
焦る俺に、Aは苦笑する。
「賢志郎さんは、どうせ私のことは何とも思ってないし」
「なんで？何か言われたん？」
「何も。でも、わかるよ」
「そんな。何も言われてへんのに、わからんやん」
「うん、でも、たぶんこのまま好きでいてもどうにもならないと思うし」
「え、いや、ちょっと待って...」
焦るばかりで、頭が追いつかない。
Aからすると不自然なほど取り乱しているのは自分でもわかっているけれど、取り繕うこともできないくらい、激しく動揺していた。
だって、こんなの、聞いてない。
俺が今まで自分を殺して見守ってこれたのは、Aが本当に好きな人と結ばれてほしい、本当に好きな人と幸せになってほしい、という願いがあったからこそで。
それを、突然横から入ってきた "たまたまそのときそばにいたやつ" に持っていかれるなんて、どうやって納得できるというのだろう。
Aの大好きな賢ちゃんだからこそ、なんとか我慢できたのに。
なんでリリーなん？
たいして好きでもないくせに。
そんなの全然、聞いてない。
「そろそろどこかで終わりにしないと、って思ってたんだ」
「だからって...何も、他のやつとつき合うことないやろ」
「でも、リリーさん優しいし、つき合ったら楽しそうじゃない？」
「いや知らんけど...」
優しいとか楽しそうとか、もう、そういう問題じゃない。
「ほんまにそれでええんか？」
「もう返事しちゃった」
「まじ？」
「さっき、駅でゆずるさんを待ってる間に」
「ほんまにさっきやん」
「うん。私もそろそろ新しい恋しなきゃね」
ふふ、と微笑むAを見て、泣きたくなった。
それなら、俺がいるのに。
俺だったら、賢ちゃんを忘れさせてやれるのに。
なんでいつも、いつも、他のやつのところに行こうとするんだ。
「...もう遅いし、シャワー行ってくれば」
Aに促したのは、自分が頭を冷やしたかったからだ。
「あ、うん。そうしようかな」
「タオル、置いてあるやつテキトーに使うてええから」
「うん。ありがとう」
Aがバスルームにいる間、目の前が真っ暗になって、動けなかった。
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えむ(プロフ) - ハンナさん» ハンナさん、いつもありがとうございます！そう言っていただけるとやる気が出ます笑 #2でお待ちしていますね☆ (2021年5月22日 10時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - ンフフフ…やっぱりえむさんの書くお話…好きです……たまらんです☆続きが楽しみ…… (2021年5月22日 0時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年5月4日 22時
