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「絶対大事にしたほうがええで、その子」
「そやな」
ゆずるに言われると、複雑な気持ちになってしまう。
奇跡になりかけたその子と一緒にいるのが俺だと知ったら、どう思うのだろう？
ごめんで済む話かな。
その頃にはゆずるも結婚...してるかな。
想像を巡らせていると、ゆずるのスマホがテーブルの上でブルッと震えた。
「...リリーや」
スマホを見てゆずるが呟いた。
メッセージが届いたようだった。
「あいつまた今週東京来るからさ。飲もうて話しててんけど」
メッセージにポチポチと返信を打ちながら言う。
「けんちゃんも来る？」
「いや、今週はちょっと無理かなぁ...」
「そっか。また誘うわ」
無理なことは無理だけど、仕事が理由ではないことは当然言えなかった。
まだあいつに対する態度を決めかねている。
「あいつもあほやからさぁ、Aちゃんのこと気に入ったみたいで」
「そうなん」
「やめとけて言うてんけど。なんかずっとあのカフェに顔出しとるみたいやし」
「へー...」
「結婚とかまだまだや言うてたし、他人のそういうのもあんま考えとらんのかも」
ゆずるの話に頷きながらも頭の中に浮かべていたのは、あの日見た、ふたりで話をしていた光景。
会話していただけならただの嫉妬で済むのに。
Aの嘘が追い討ちをかけて、いつまでも引きずってしまうのが嫌だ。
「おかしなことにならんとええけどな」
「...なりそうやと思うん？」
「んー。どうやろ？Aちゃん優しいからなぁ」
そこで水田が戻ってきた。
「あれ、ゆずるまだおったん？」
「おったらあかんの？」
ふたりと一緒になって笑っても、全然違う気持ちが頭の中を支配する。
何かよくわからない、一筋縄ではいかない大問題がすぐそこまで迫っているような気がして思わず身震いした。
困った。うまく笑えない。
これ、このままじゃ、いつか職業に支障をきたすな。
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えむ(プロフ) - ハンナさん» ハンナ様、コメントありがとうございます！甘いかどうか気になっていたので、そう言っていただけて安心しました！#3も楽しんでいただけるようがんばりますね^_^ (2021年4月15日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - 甘いー…甘くてステキなお話をいつもありがとうございます… 楽しみで楽しみで終わってほしくない…！です (2021年4月15日 1時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、いつもありがとうございます！^_^ (2021年4月4日 18時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - あぁどうなるでんしょう…いつもドキドキしながら読ませてもらっています！ (2021年4月3日 15時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年3月20日 23時
