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「そのメイクさんて女の子やろ？」
「当たり前やん」
「ほんま尊敬するわ、その距離の詰め方」
「えー？別にめしくらい普通やん」
開けっ広げな笑顔で言うゆずるを見ていると、本当、羨ましくなる。
自分の思いに正直に生きている、って感じがして。
「なんか、楽勝でええなぁ」
ふたりの会話を聞いていて、思いがつい、声に出ていた。
「いやー、そんなでもないって」
パンツのポケットからスマホを出し、視線を落としてゆずるが言う。
「久しぶりにマジでいったろかな思った子にはふられるしさぁ」
スマホを見続けているゆずるの頭の上で、水田と目が合った。
「あのカフェの子やろ？既婚者やってんもんな」
水田が言うと、ゆずるは、そう！と勢いよく顔を上げた。
それをきっかけに、堰を切ったように喋り出す。
「聞いてくれる？こないだたまたま店の外で会うたんやけどさ、」
「その子と？」
「そー。流れで旦那さんの話になってんけどな、めっちゃラブラブそうでさあ」
「へー」
「なんか腹立ったわ」
「腹立つくらいラブラブやったん？」
半分は驚いたように、残りの半分は半笑いで水田が言って、俺とまた目が合った。
「もー、撃沈やわ。いやふられてんけどさ。わかっててんけど」
独り言のように、自分に言い聞かせるように、ゆずるは言う。
「やっぱええ子はもう誰かに取られてんねんな」
「そういうことかもなぁ。な、けんしろー」
「えっ？あぁ、そうやね」
「ええなー結婚」
ゆずるはしみじみと言い、スマホをテーブルに置いて、その手で髪をくしゃくしゃっと掻きむしった。
ゆずるの反応がちょっと意外だった。
結婚をいいものと思っていたことも、Aをこんなに惜しがることも。
判断がつかないままAとのことを終わらせてしまったけれど、俺が想像していたより本気に近かったのかもしれない。
早めに終わらせておいてよかった、と思うと同時に、そんなことを思う自分が少し怖くなった。
独占欲ってこういうものなのか。
他人の気持ちまでどうにかしようとするなんて。
今思ったことを内心後悔していると、またドアがノックされ、廊下からマネージャーが顔を出した。
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えむ(プロフ) - ハンナさん» ハンナ様、コメントありがとうございます！甘いかどうか気になっていたので、そう言っていただけて安心しました！#3も楽しんでいただけるようがんばりますね^_^ (2021年4月15日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - 甘いー…甘くてステキなお話をいつもありがとうございます… 楽しみで楽しみで終わってほしくない…！です (2021年4月15日 1時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、いつもありがとうございます！^_^ (2021年4月4日 18時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - あぁどうなるでんしょう…いつもドキドキしながら読ませてもらっています！ (2021年4月3日 15時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年3月20日 23時
