それでもひるまないとは ページ4
( みずた
久しぶりに相棒の大事なかわい子ちゃんの顔でも見に行こうか、と楽屋に入る前に向かいのカフェに入ったら、思いもよらない先客がいた。
「...あ、水田さん」
俺が近づいてきたことにいち早く気づいたAちゃんが声を上げた。
その声で先客、リリーが俺に振り返った。
確か午前中の舞台で一緒のはず。
「何やってんすか」
「いやそれ俺の台詞やから」
「こんにちは」
「Aちゃん、久しぶりやね」
ふたりきりだったその場に俺が入って３人になると、Aちゃんはどこかホッとしたように笑った。
ふたりはコーヒーを受け渡しする丸く突き出た場所を挟んで話をしていた。
リリーの手元には既にテイクアウト用の紙カップがあるのに、まったく帰ろうとする気配がなかった。
店員と客との会話なんて、コーヒーができあがるのを待つ間に交わすたかだか数分のもの。
できあがったものを渡されたらそこで終わり、になるものだろうに。
(...なるほど)
Aちゃんのホッとしたような表情の意味を、俺は瞬時に理解した。
リリーはいつから居座っているのだろう。
「ほんま、みんな知り合いなんやなぁ」
俺に接する表情が親しげに見えたのだろう。
リリーがAちゃんに言う。
「誰かと特別仲良くなったりせん？」
「皆さん大切なお客さまですから」
「誘われて遊び行ったりせえへんの？」
「ないですよ、そんなの」
「じゃあ俺が第一号になるかも」
「だからそういうこと言っちゃダメですって」
あー、これは。
賢志郎が知ったら絶対に怒るやつ。
かと言って知らせずに見過ごしていていいかどうか、迷うやつ。
どこから介入したら良いのかと考えてとりあえず黙って見ていると、Aちゃんがチラリと俺を見てきた。
困っているな、確実に。
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えむ(プロフ) - ハンナさん» ハンナ様、コメントありがとうございます！甘いかどうか気になっていたので、そう言っていただけて安心しました！#3も楽しんでいただけるようがんばりますね^_^ (2021年4月15日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ハンナ(プロフ) - 甘いー…甘くてステキなお話をいつもありがとうございます… 楽しみで楽しみで終わってほしくない…！です (2021年4月15日 1時) (レス) id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、いつもありがとうございます！^_^ (2021年4月4日 18時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - あぁどうなるでんしょう…いつもドキドキしながら読ませてもらっています！ (2021年4月3日 15時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年3月20日 23時
