幸せになって ページ43
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向かい側に座るAの顔を見るのが気まずくて、つい手元のグラスにばかり目が行ってしまう。
本当は、飽きるほど見つめていたいのに。
あれから不審な男は見ていないか、とか、仕事はどうだ、とか、たくさん話したいこともあるのに。
隣にゆずるがいると思うと、何もできない。
ほんの少しでも隙を見せたら、終わりのような気がして。
「あの辺で働いてるんですか？」
「はい。あのグレーの大きなビル、わかりますか？35階建のおっきいビルなんですけど」
「わかるわかる！こないだそこの近くで仕事して、同僚とランチしに行ったから」
「私もたまにお昼そこで食べてますよ」
「そうなんやぁ」
Aと元カノがキャッキャと話しているところを横で見て、女って不思議だなぁ、と思う。
ほぼ初対面とは思えない盛り上がりっぷり。
お互いの笑顔に嘘がないのがわかるし、次から次へと、本当に楽しそうに会話が繋がっていく。
そこに男の入る余地はなさそうで、黙って見ているだけで、お腹いっぱいになる。
「なんか気ぃ合うみたいやなぁ」
おそらく同じことを思ったのだろう。
どちらかというと呆れたように笑って、ゆずるが言う。
「Aちゃん、めっちゃ話しやすいねんもん」
「確かにAは誰とでもすぐ仲良おなるもんな」
「ゆずくんほどじゃないよ。私にだって苦手な人くらいいるよ」
「ね、賢志郎さん」と急に話を振られて、思わず目が泳いでしまう。
「え、うん」
「前はよく賢志郎さんに愚痴聞いてもらってたし」
「そやったよな、うん」
Aの言う通り、ゆずると出会う前は、ネガティブな話を聞かされることもときどきはあった。
主に仕事の話だったけれど、その中でうまくいかない人がいることも、何度か口にしていた。
別に、こんなのは特別な話なんかじゃない、と思う。
思うけど、何故か後ろめたさを感じてしまって、振られた話に乗り切れない自分がいる。
こないだの、ゆずるからの指摘のせいだ。
「賢ちゃんの好きなタイプは...」
あんな話をされたせいで、今まで以上に意識してしまって、うまく返せなかった。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
