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「それが、まだやねん」
「そうなんや」
「なんていうか...タイミングが難しいっちゅうか。いざ言うとなると、なかなか言い出せへんねん。情けないことに」
そうか。まだだったのか。
ゆずるのことを情けないとは思わないけれど、内心ほっとしてしまう自分がいる。
「しゃあないて。一生に一回のことやし」
「そうやとええけどな」
「なに、２回も３回もする気なん」
冗談のつもりで言った言葉に、ゆずるは笑顔を見せてはくれなかった。
「もしかしたらうまくいかへんかもしれんし」
「...そんなことないと思うけど」
「でも、何が起こるかわからんやん？」
今度は、無理して笑顔を繕う。
いつもAのことを話すときの、愛に溢れた表情ではなくて、どこか不安定な、ゆずるらしくない顔だ。
プロポーズって、やっぱり、人生の一大イベントなのだろう。
自信があるとかないとか、勝算があるとかないとか、ふたりの歴史や絆の深さとか、そういうことじゃなくて。
その立場でなければ感じることのないプレッシャーみたいなものが、きっと今のゆずるにはあるのだろう、と思う。
だから、容易に「大丈夫だよ」なんて言うのは蛇足な気がした。
プロポーズする予定なんて、これまでもこれからもない俺は、正直、想像するくらいしかできないけれど。
「賢ちゃんとあの子も、どうなるんやろな」
話題を変えたいのか、ゆずるがまた話を戻した。
「ええ子やもんなぁ。サッパリしてて」
「まー、そうやな。そういうところはつき合いやすかったと思う」
「ほんまはちょっとちゃうかなぁって思っててんけどな、最初に紹介されたときは。キレイな子やけど、なんか賢ちゃんの好きなタイプとちゃうよなぁ、って」
そんなことを思っていたとは。
周りが思うほど違和感を感じてはいなかったけれど、別れている以上、すれ違う要素はどこかしらあったということになる。
というか、自分の好きなタイプを熟知しながら生活している奴なんて、そんなにいない気もするけど。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
