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「まあ、もう昔の話やしね」
「そう言ってもらえると助かるわ」
「うん。もう気にせんといて、私も忘れとったし。でもそろそろ落ち着いたほうが...あれ、」
元カノが俺の背の後ろを見て声を上げた。
「ゆずるさんがおる」
振り返って、遠くを見る元カノの視線を辿ると、通路を挟んで向こう側に、本棚をじっと見つめているゆずるがいた。
俺と同じく探し物をしているようで、真剣な眼差しで本棚に並ぶ背表紙を一冊一冊追っている。
その目がだんだん横にずれていき、不意に俺らを捉えた。
ゆずるははっとした後、すぐに笑顔になって、こっちに向かってくる。
「賢ちゃん午前中からやったっけ？出番」
「うん。ゆずるはこれからやんな？」
「そう...あれっ？」
ゆずるの視線は、俺から、俺の隣の元カノへ。
「えー？久しぶりやなぁ！」
「覚えててくれたんやぁ。嬉しい」
「覚えとる覚えとる。何回か飲んだもんなぁ」
ゆずるや同期の何人かには、飲みの場で元カノを会わせたことがあった。
別れることになる少し前からは一緒に飲む機会もなくなっていたから、ゆずると元カノが会うのは、俺よりずっと久しぶりになる。
それから、なんとなく波長が合うふたりは、目を輝かせてお互いの近況を尋ね合った。
そういえば昔からこんな感じだったよなぁ、と、懐かしく思い出していた、そのときだった。
「...あ、いたいた」
本棚の影から、Aが現れた。
ゆずるを探していたようで、振り向いたゆずるの顔を見て、笑顔で駆け寄ってくる。
そうすると、当然、ゆずると対面している俺の存在にも気づくわけで。
「...賢志郎さん」
「おー」
Aはあからさまに驚いた顔をした。
そしてその驚いた顔は、俺の隣を見て、戸惑ったような表情に変わった。
俺の隣には、元カノという名の、Aの知らない女の子。
どうしていいかわからなくなったのか、Aはその表情のまま、ゆずるを見上げる。
目を合わせるふたりを見て、俺は思わず、心の中で問いかけた。
神様。これは、どういうつもりですか。
Aとは、あの夜の翌朝に "無事に眠れた" と感謝のメッセージをもらって以来になっていた。
どうしているか気にはなっていたけれど、まさか、こんなところで、こんな状況で、会うなんて。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
