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「つけられてた、って？」
『...窓の外にね...まだいるみたいなの。男の人が...』
背中がゾクッとした。
危険な輩がAのそばに迫っている場面を想像して、恐怖が胸にせり上がってくる。
「部屋から見えるん？」
『怖くてあんまりちゃんと見れないけど、気配っていうか、なんとなく人影みたいなのが...』
「そうやな。あんまり見んほうがええな。...てか、ゆずるは？」
『ゆずくんは大阪に泊まり』
なんてこった。
よりによって、こんなときに。
「そうか...大丈夫？」
『うん...』
気が気でない様子が、見えなくてもよくわかった。
答える声に身が入っていない。
カーテンを握りしめて、窓の外の不穏な光景を覗いているのだろうか。
あのマンションだと、そう簡単に侵入されることはないはずだ。
だとしても、すぐそこにいると思えばそれだけで充分に不快だし、充分に怖い。
空が見える位置まで動いて見上げると、月もなく、何かが起こりそうに淀んだ暗い夜。
映画や２時間ドラマなら、こんな夜に事件が起こる。
「ゆずるには連絡したん？」
『ゆずくんには言えないよ。心配してお仕事できなくなっちゃう』
「まあ、したところでどうにもならんしな...」
ゆずるが心配する、と言いながら、実際は自分のほうがゆずるを心配しているということに、Aは気づいているのだろうか。
こんなときでも恋人のことを気遣うのかと、少し複雑な気持ちになる。
「誰か近くに友達とかおらんの？」
『うん...いない』
「そうか...」
危機的状況。周りには頼れる相手がいない。
そんなときに、俺に電話をしてきた。
これは俺の勘違いや独りよがりではなく、正真正銘の、AからのSOSだ。
本当に大切な人の代わりだとしても、Aは俺に助けを求めてきた。
「まだ、おる？」
『ちょっと待って.......うん、いる』
「そうか...寝れるか？」
『...わかんない...』
本当なら、迷わず駆けつけたい。
行って顔を見て「大丈夫」と言ってやりたい。
でも、そんなことをしていいのだろうか。
ゆずるのいない夜に、ゆずるのいない家に行って、Aに会うなんてこと。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
