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「いや、あの、さ。やっぱりそういう大事なことは、ふたりだけのもんにしといたほうがええと思う、ていうか」
「そうやんなぁ、賢ちゃん」
ゆずるの目がぱっと輝き出す。
山名の言い分に負けそうになっていたところに助け舟を出されて、ほっとしたように顔を緩ませて俺を見る。
「俺そんなんやらんからな」
「えー、おもろそうなのに」
提案を突き返された山名と、稲ちゃんまでもが不満そうに唇を尖らせた。
勢いを取り戻したゆずるは、もう言いたい放題はさせない、とばかりに断言する。
「絶対やらん。なんで何百人も前にしてそんな小っ恥ずかしいことせなあかんねん」
「えー」
「えー、ちゃうわ」
「まあまあ。他のこと考えよ」
笑顔でゆずるや山名を嗜(たしな)めながら、心臓がまだ、早鐘を打ったよう高鳴っているのを感じていた。
プロポーズ、という言葉に焦っていたのはゆずるだけじゃなかったなんて、あの場にいた誰も知らない。
「...賢ちゃん」
廊下で呼び止められ、振り返ると、ゆずるが立っていた。
「もう帰るん？」
「帰るよ」
「そっか。とりあえず何とかなりそうでよかったな」
「うん。楽しみやわ」
打ち合わせは順調に進んで、予定時間通りに終わった。
形はほぼ見えてきた。
あとはそれぞれコンビ間で練ったものを、また次回の打ち合わせに持ち寄ることにして、今日のところはお開きになった。
「そんで、さっきはありがとうな」
さっき、と言われて、さっきの山名とのやりとりが思い浮かんだ。
「なんか一瞬言い負かされそうになってもうたわ」
「はは。まあおもろいっちゃおもろいかもしれんけどな。いきなりそんなこと言われても困るよなぁ」
「せやねん。あいつ、自分が結婚したからって適当なこと言うて」
「まあな」
まあ、彼は彼で、幸せなのだろう。
彼の甘い結婚生活を何となく想像しながらふたりして笑って、ふと、顔を見合わせる。
笑いが途切れたタイミングで、ゆずるが急に神妙な顔つきになって、言った。
「...あのさ、」
「うん？」
「賢ちゃんには先に言うとこうと思とったんやけどさ、」
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
