どうして ページ21
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夢を見た。
久しぶりに顔を合わせた舞台の楽屋で、「Aとつき合うことになった」と、照れ臭そうにゆずるが言ってきた日の、夢。
それを聞いた瞬間、まるで天変地異が起こったような衝撃で、何がなんだかわからなくなった。
俺は結局たいした返事もできずに、即席の笑顔で頷いて、適当な理由をつけて逃げるようにその場を離れた。
後のことは覚えていない。
しばらく頭の中の混乱がおさまらなくて、その日の舞台の出来は最悪のものになった。
どうして。
どうして俺は、言えなかったのだろう。
ゆずるよりも先に、Aに「好きだ」と。
ゆずるが出会う前から、ずっと好きだったのに。
言っていたなら、もしかしたら、何かが変わっていたかもしれないのに。
俺は、どうして..............。
「...は、」
それまで目の前にあった映像がぷつりと途切れて、照明の煌々とした目に眩しさが飛び込んできた。
その後、まず視界に入ったのは白い壁、次に、こっちを凝視している水田の顔。
「大丈夫か？」
「...びっくりした」
「こっちもびっくりするわ」
取材と打ち合わせのために訪れた事務所で、少し空き時間ができたからと、会議室を借りて休憩していた。
部屋の隅と隅に別れて、水田は漫画を読み、俺はエッセイのネタをスマホに打ち込み、各々の時間を過ごしていた。
そのうちに、いつのまにかうとうとしてしまったようだ。
途中から記憶がない。
スマホを見ると、メモらしき文章が中途半端なところで途絶えていた。
「...どれくらい寝とった？」
俺が問いかけると、水田はテーブルの上に置いてあるスマホの時計表示を見た。
「2、30分ちゃう？」
「そんなに？気づかへんかった」
「そろそろ起こそう思っとったとこやけどな」
「もうすぐ着くって」と、スマホを置く。
水田に言われて改めて自分のスマホを見ると、俺にもメッセージが届いていた。
６人でやりとりしているグループチャットに、ゆずるからは "あと５分"、秋山さんからは "うちらは３分" と。
短いメッセージをちょうど読み終えたところでドアが開いて、外からゆずるが現れた。
「うぃーっす」
「お疲れー」
ゆずるに続いて秋山さんと山名、それに稲ちゃんがぞろぞろと入ってくる。
静かだった部屋が急に賑やかになって、まだ半分靄がかかったままだった目が、一気に覚めた。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
