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「気に入ってもらえたならよかったよ」
「うん。めっちゃ気に入った」
「ここのお店もすごく素敵だね。お料理もお酒も、どれもおいしい」
Aはエビのフリットをフォークでつついて、ぱくっと口に入れた。
それを見ながらAに合わせて選んだシャンパンを飲んで、俺はまた幸福感に包まれた。
酒屋を出た後、「あの品揃えを見ていたら飲みたくなった」とAが言った。
少しの罪悪感が俺の中に顔を出したけれど、断る選択肢なんてなくて、この店に辿り着いた。
この店は、ゆずるが何度か使ってよかったと言っていた店。
確か一緒に行っていたのは、前の彼女だったか、当時気になっていた女の子だったか。
他人に知られたくない時間を過ごしたいときに頼りになる、セキュリティ観念の整った店らしく、ゆずるが楽屋で感想を口にしていたのをなんとなく覚えていた。
今夜はいつも行くような居酒屋の気分じゃなかったから、たまたま思い出して本当によかった。
「賢志郎さんもこういうお店来るんだね」
「いや、俺も初めてやねん。いい店やって聞いとったから...友達に」
「そうなんだ」
ゆずる、と言いそうになったのを寸前で、友達、に変換した。
後で誰と行ったのかという話になったら、ゆずるが困るかもしれない、と思った。
そういうのは、なんていうか、男の勘だ。
「誰かとデートで来たのかと思った」
シャンパンを飲み干してAが言う。
「すっごく素敵なお店だけど、なんか賢志郎さんぽくないから」
「まあ...昔よく一緒に飲んだのも居酒屋とかばっかやったもんな」
「そー。だから、こういうところに連れてくる女の子ができたのかなーって」
「そんなわけないだろう」と言おうとしたところで、Aがはっとした表情でソファーのシートを見た。
腰の側に置いていたスマホを拾い上げ、じっと見つめた後、唐突に笑い出す。
その様子を見ていて、誰かからメッセージが届いたのだろう、とすぐにわかった。
Aが笑いながら「見て」と画面をこちらに向けてきたので、言われた通りに覗くと、そこには俺のよく知っている後輩の顔が映されていて、その笑いの理由も同時にわかった。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
