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「Aが羨ましいなぁ。ゆずるさんが彼氏だなんて」
ふと、テーブルに肘をついて友達がつぶやいた。
Aよりも先にゆずるが反応して、グラスを持ったまま「なんで？」と前のめりで友達に迫る。
「かっこいいし、優しいし。Aのことすごく大事にしてるのも伝わってくるし」
「そらまあ、彼女やからな。大事にするやろ」
「だからそういうところですって。いいなぁ」
ふたりの会話を笑顔で聞いていたAに、友達が目線を向けた。
「ほんと幸せ者だよー、Aは」
「うん」
「Aもゆずるさんのこと大事にしなきゃだよ？」
「そうだね。わかってるよ」
(...いった)
ズキズキ...
心臓が痛い。
真ん中から真っ二つに割れそうだ。
友達の言葉に応えるAの笑顔も、それを見つめるゆずるの満足そうな横顔も、テーブルに並ぶペアグラスやおそろいのスマホも、全部もう、まっすぐには見れなくて。
消えてしまいたかった。今すぐに。
自分だけが場違いな気がして。
「...賢志郎さん、」
「えっ、」
不意に名前を呼ばれて見ると、Aの目が俺を見ていた。
「次、ビールでいい？」
「あぁ...えっと」
「賢志郎さんの好きそうなお酒買ってあるけど、それにする？」
その瞬間だけ、俺だけに向けられたその顔は、ふたりきりで会っていた頃のままの笑顔だった。
「じゃあ、それ」
「俺、取ってくるわ」
俺が小さく頷くのを見て、ゆずるがすっと席を立つ。
「賢ちゃんのお疲れ様会やからな」
「あ、じゃあこのグラス一回下げちゃいますね」
ゆずるを追うように、友達が立ち上がった。
空いたグラスをいくつか持って、パタパタとキッチンに向かう。
テーブルには、Aと俺のふたりきり。
待ち望んでいた瞬間が突然訪れて、どうしていいかわからなくなる俺に、Aは顔を近づけてきて言った。
「賢志郎さん、ごめんね」
「え、何が？」
「ゆずくん、なんかはしゃいでるみたい」
チラッとキッチンを見て、またすぐに俺を見る。
ゆずる達は酒の用意をしていて、こっちを見ようともしていない。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» いつもありがとう☆コメント嬉しいです^_^ (2021年10月10日 23時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - HanNAさん» いつもありがとう☆今回も楽しんでもらえるように頑張りまーす！ (2021年10月10日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - これからの展開にドキドキします！楽しみです( ´∀｀) (2021年10月9日 21時) (レス) @page16 id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - お疲れ様ですー☆ やっぱりえむちゃんすごい…です…読んでいてバクバクする！これから楽しみです！ (2021年10月9日 1時) (レス) @page16 id: 9d1b7de85f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年10月2日 23時
