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追加のビールが届けられ、改めて乾杯。
最初の一口を喉に通すと、ビリビリとした刺激が腹の中まで駆け抜けた。
目の前には、俺のハートを一発で撃ち抜いた彼女。
「今日はどんな仕事だったんですか？」
隣に座っている子が興味津々な表情で俺を見る。
「あ、聞きたいー」
「TVですか？」
「そういえば、こないだ特番に出てたの見ましたよー」
女の子達から矢継ぎ早に質問され、右から左へとさばいていく間、目の前の彼女はただニコニコして俺らを眺めているだけだった。
口を挟むこともないし、女の子達と同じように質問してくることもない。
ずっと笑顔なのはいいけれど、そのわりに全然興味を持たれていないように感じて、内心焦ってしまう。
こんなことはあまり経験がなくて、彼女のことがますます気になって仕方がなくなった。
目の前に座って、さっき彼女が何故ひとりだけ壁を向いたままだったのかがわかった。
遅れて入ってきた俺のために、テーブルの上を整理してくれていたのだ。
不要になったグラスを端に寄せて、テーブルを拭いて、皿やフォークを用意して。
そんな甲斐甲斐しいことをされていたと知ったときには、心は完全に彼女に持っていかれていた。
もっと彼女のことが知りたい。
「あのさ、名前」
思い切って声を上げると、視線が一気に集まってきた。
「みんなの名前聞いてないねんけど」
「あ、そうですね」
「じゃあ改めて自己紹介、いい？」
後輩が音頭をとり、女の子達が順番に名前や職業を言っていく。
聞いていた通り、モデルやタレントの卵がずらりと並ぶ。
彼女の番は最後に回ってきた。
「Aです。すぐ近くの会社で働いてます」
「OLさん？」
「そうです」
モデルやタレントの卵に紛れて、ひとりだけ完全に一般の子。
それなのに、俺の中では一番魅力的で、一番話がしたくて、一番、知りたい。
見た目の華やかさは他の子達には敵わないかもしれない。
でも俺には、誰よりもAちゃんがかわいく見える。
「ちょっとトイレ」
Aちゃんの隣に座っていた後輩が不意に立ちあがった。
条件反射的に、俺の指がまっすぐにその空いた席を指す。
「俺そっち行ってええ？」
「え、あ、はい」
少し戸惑っているAちゃんに構わずに、そそくさとソファーを抜け、隣に座る。
周りの視線が俺を不思議そうに追うのが横目に入ったけれど、そんなことはもうどうでもよかった。
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えむ(プロフ) - HanNAさん» こちらこそいつもありがとう☆また来年もよろしくです！！ (2021年12月31日 8時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - えむちゃん、いつも素敵なお話ありがとうございます！よいお年をお迎えくださいー (2021年12月29日 1時) (レス) @page26 id: ea9d2e9102 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - みかみかさん» コメントありがとうございます☆あー、良かったですー。喜んでいただけて、ほっとしました^_^ いろいろ想像しながら書くのが楽しかったです☆こちらこそ良い機会をありがとうございました。是非またどうぞです☆ (2021年11月6日 20時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - 早速読ませていただきました！！もう最高でした！キュンどころじゃないですズッキュン心ぶち抜かれました（笑）えむさんの言葉選びほんとに好きです！素敵なお話ありがとうございました(T▽T) (2021年11月6日 6時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - えむさん» はい！もちろんゆっくりで大丈夫です！読んだ後感想も書かせて頂きます！素敵な作品お待ちしてます！ (2021年11月1日 23時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年9月19日 22時
