それは違う / りりー ページ18
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「好き？」って聞いたら「好き」って返してほしい。
ただそれだけのことが、何故そんなにも難しいのか。
「ねえってば」
「えー？今TV見とる」
「彼女がお願いしてるのに、なんで？」
「あーもううっさいわぁ」
面倒くさそうに後ろ髪をグシャグシャっと掻きむしって、リリーさんはわざとらしく溜息をついた。
体を横たえてソファーを独り占めしていることは、遅くに帰ってきて疲れているだろうから、許す。
仕事仕事で最近ゆっくり会えていないことも、電話の折り返しやメッセージの返事が遅いことも、まあ、許してあげる。
だけど、少しくらい我儘を言わせてくれたっていいじゃない。
私はあなたの、かわいいかわいい彼女なんですけど。
「なんなん、さっきから」
「さっきからじゃなくて、いつも言ってるじゃん」
「なにが？」
「だからぁ...」
「好き？」って聞いたら「好き」って返してほしい。
いつお願いしても、機嫌の良さそうなときも悪そうなときも、リリーさんの答えはいつも同じ。
「そんなん聞いてどうするん？」
そういう問題じゃないのに。
「...もういい」
私の中で何かが静かに萎れていった。
体の力が抜けていって、リリーさんから顔を背けてしまう。
「もう、リリーさんなんて...」
大キライ。と言えればいいのだろうけれど、言えない。
そんなことを言っても、この人がご機嫌取りなんてしてくれるわけがない。
きっとそっけない返事が返ってきて、会えない日々がどんどん伸びていくだけ。
ただでさえ満足に一緒にいられないのに、喧嘩なんてしたくない。
こんなに想っているのは、私だけなのかな。
いつのまにか、 "彼女" から "ただ居るだけの存在" に変わってしまったのかな。
最近「好き」って言ってくれたのは、いつだったっけ。
なんかもう、忘れちゃったよ。
「...私もう帰ろうかな」
足元に転がっているバッグをチラリと見ると、リリーさんが静かに体を起こした。
「ほら」
ソファーの空いた分を手でぽんぽんして、私に座れと促す。
渋々隣に座ってその顔を見たら、なんだか泣きそうになってしまった。
でも、悔しいから、絶対に絶対に、絶対に、泣かない。
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えむ(プロフ) - HanNAさん» こちらこそいつもありがとう☆また来年もよろしくです！！ (2021年12月31日 8時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - えむちゃん、いつも素敵なお話ありがとうございます！よいお年をお迎えくださいー (2021年12月29日 1時) (レス) @page26 id: ea9d2e9102 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - みかみかさん» コメントありがとうございます☆あー、良かったですー。喜んでいただけて、ほっとしました^_^ いろいろ想像しながら書くのが楽しかったです☆こちらこそ良い機会をありがとうございました。是非またどうぞです☆ (2021年11月6日 20時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - 早速読ませていただきました！！もう最高でした！キュンどころじゃないですズッキュン心ぶち抜かれました（笑）えむさんの言葉選びほんとに好きです！素敵なお話ありがとうございました(T▽T) (2021年11月6日 6時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - えむさん» はい！もちろんゆっくりで大丈夫です！読んだ後感想も書かせて頂きます！素敵な作品お待ちしてます！ (2021年11月1日 23時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年9月19日 22時
