推定無罪 / かわにし ページ4
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まるで軟体動物にでもなったみたいに、川西さんが私の肩にもたれてきて、びっくりというか、ドキドキというか、唖然としてしまった。
「だ、大丈夫...ですか...？」
「んん〜...だいじょおぶ〜」
「あの、呂律があやしいです、けど」
「いやいやぁ。そんなのんでへんしぃ〜」
もたれかかったまま、ヘラヘラと笑って、上機嫌。
こんな川西さんは見たことがなくて、私はどうしていいかわからなくなってしまった。
「お酒はもうストップです、ストップ」
「えー。ええやん、もうちょっとー」
焼酎の入っていたグラスを取り上げると、不満げに膨れて唇を尖らせた。
でも、グラスを取り返そうとする力はないらしく、ふにゃふにゃと更に私に体重をかけてくる。
「てゆーか、Aのんでるん？もっとのんだらええやん」
「私はもういいです。もう飲めないです」
「えー。つまらんー」
え、こういうやつ？
酔うとヒドイって聞いてはいたけど...。
ヒドイって、ちょっと言動が乱暴になったりとか、態度が横柄になったりとか、するのかな。
変に理想化して幻滅するのも嫌だし、ある程度は覚悟を決めてきたつもり。
だけど、結果は予想の斜め上だった。
まさか、このパターンだったとは。
「とりあえずお水飲みましょっか」
背中を支えながら、反対の手でテーブルに手を伸ばす。
氷水入りのグラスを掴んで口元に持っていくと、川西さんは首を振って拒否してきた。
「Aがのましてぇ」
「どうやって...」
「くちうつしにきまってるやん」
そう言いながら、ぐい、と顔を寄せられて、思わず息を飲んだ。
酔っているとはいえ、お顔は川西さんなわけで。
私の、大好きで大好きで仕方ない人なわけで。
こんなふうに迫られたら心臓がもたない。
こんな、あと数センチでキスできちゃいそうな距離。
私さえ勇気を出せば、奪われて(奪って？)しまえそうな距離。
べっろべろの、ぐっだぐだに、酔っているとはいえ。
「いやっ...ちょっとそれは、」
無理。
顔を見ないようにして、両手で肩を押しのけた。
あぁ、なんかもう、まともに見れそうにない。
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えむ(プロフ) - HanNAさん» こちらこそいつもありがとう☆また来年もよろしくです！！ (2021年12月31日 8時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
HanNA(プロフ) - えむちゃん、いつも素敵なお話ありがとうございます！よいお年をお迎えくださいー (2021年12月29日 1時) (レス) @page26 id: ea9d2e9102 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - みかみかさん» コメントありがとうございます☆あー、良かったですー。喜んでいただけて、ほっとしました^_^ いろいろ想像しながら書くのが楽しかったです☆こちらこそ良い機会をありがとうございました。是非またどうぞです☆ (2021年11月6日 20時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - 早速読ませていただきました！！もう最高でした！キュンどころじゃないですズッキュン心ぶち抜かれました（笑）えむさんの言葉選びほんとに好きです！素敵なお話ありがとうございました(T▽T) (2021年11月6日 6時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
みかみか - えむさん» はい！もちろんゆっくりで大丈夫です！読んだ後感想も書かせて頂きます！素敵な作品お待ちしてます！ (2021年11月1日 23時) (レス) id: b0f25e0f76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年9月19日 22時
