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「俺のほうこそごめんな」
「どうしてゆずるさんが謝るんですか」
「俺のせいでAちゃん悩ませてもうたやろ？」
「ゆずるさんのせいじゃないです。私が...」
「俺さあ、別に女の子に困ってるわけでもないんやけど、」
俺の言葉にAちゃんはちょっとぎょっとした顔になった。
これもまた素直でかわいい。
「なんかいつも軽く見られてまうんよな。本気やと思ってもらえへん、っていうか...」
仲良くなりたいからガンガン声をかけて、いいところまで行くのはいつも簡単で。
でも、その後を続けられない。警戒されたり、信じてもらえなかったり。
そうしているうちに自然消滅したり、忘れた頃にたまに会うくらいの関係にしかなれなくて、いつもちゃんとした恋らしい恋をできずにいる。
仲間達に話してもあまり理解してはもらえないけれど、それは俺なりの悩みだった。
「だから、そんなふうに真剣に断ってくれて嬉しいわ」
できればもっと仲良くなって、ちゃんとつき合ってほしいって言いたかった。
そうなれるような気がしていた。Aちゃんなら。
「ゆずるさんみたいな素敵な人、ちゃんと見てくれない相手の人がダメだと思いますよ」
不思議そうに言うAちゃんの顔を見て、
あー、やばかった。と内心焦った。
断ってくれるのがあと一日遅かったら、俺、たぶん本気になっていた。
「ここ通うのはやめんでええよな？」
「はい、もちろんです」
「ここのコーヒー好きだし、Aちゃんのことも、」
好きだし。
と言ってしまうから、いつも軽く見られてしまうのだろうか。
言いかけたものを引っ込めて、かわりに髪を撫でてみた。
Aちゃんは少し驚いた顔をして俺を見上げ、恥ずかしそうに肩をすくめて微笑んだ。
かわいくて、
ぎゅっとしたい。と思ったけれど、
「...まあええか」
やっぱりそれはいけない。
と思い留まることができた自分を褒めてやりたいと思った。
店員さんを拘束していられるのもそろそろ限界だろう。
俺自身にも時間が迫っている。
こんな心境で人前に出る準備をしなければならないのが、つらいところだけれど。
それじゃあ、とお互いに言い合って、そっと部屋を出た。
幸い他の客の誰にも気づかれず、Aちゃんはカウンターの中へと、俺は店を出て劇場へと向かった。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、ありがとうございます☆また遊びに来てくださいね。よろしくお願いします^_^ (2021年3月19日 21時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 毎回楽しく読ませて頂きました！#2も楽しみにしていますね！ (2021年3月19日 10時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、コメント嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年3月8日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 毎回楽しみに読ませてもらっています。これからどうなるか…楽しみです^_^ (2021年3月8日 17時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年2月28日 21時
