甘やかされてる ページ32
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俺、明日大阪泊まりって言うてたよな?
そうだっけ?
そうだ。
すっかり忘れていた。
今月のスケジュールの話をした記憶はちゃんとあるのに、どうして忘れてしまっていたのだろう。
急に遠くへ行ってしまうような気持ちになって、焦る。
けんちゃんの泊まりの仕事なんてよくあることで。
それが二泊三泊となることだってザラにある。
だけど、慣れているからといって平気なわけでは決してない。
たぶん、平気になる日はそう簡単には来ない。
すぐには会えない距離に行ってしまうのだと思うと、途端に寂しくて仕方なくなった。
「どうしたの？」
スマホを手にフリーズしている私に、親友が言った。
缶ビールを傾けて、残り3センチになっていた私のグラスに注ぐ。
グラスは半分ほどになり、そこで缶は空になった。
「これでおしまいにしよ。これ以上飲んだら太っちゃう」
悪戯っぽく笑って親友はグラスを差し出してきた。
350mlの缶ビールを分け合って、結局２本を空けた。
そう多くはないけれど、時間を考えたらこれで終わりにするのがちょうどいい、と私も思った。
明日はふたりとも遅番だから、もう少し話していられる。
けんちゃんに、もう寝てしまったと言ったのは方便だった。
「ありがと」
私はそれを受け取って答えた。
親友はピン、と私の手元のスマホを指差して言う。
「で、旦那さんから？」
「うん...明日泊まりで大阪に出張だって」
「大阪？前も行ってたよね。大阪に支店がある会社なの？」
「まあ...そうだね」
大阪に支店。間違いではない...かな。
親友には結婚したことはもちろん話してあるけれど、相手のことまでは言えていない。
今度会わせてね！と言われるたび、そのうちね、なんて生返事をするしかできないのが悲しい。
いつか本当に会わせることができたらいいのだけど。
「心配してるんじゃないの？」
「まあね...」
「本当にいいの〜？帰らなくて」
「いいの、今日は帰らないって決めたの」
記憶の中の置き手紙が言う。
それくらいの覚悟を持って私を書いたんでしょう？と。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、ありがとうございます☆また遊びに来てくださいね。よろしくお願いします^_^ (2021年3月19日 21時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 毎回楽しく読ませて頂きました！#2も楽しみにしていますね！ (2021年3月19日 10時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、コメント嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年3月8日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 毎回楽しみに読ませてもらっています。これからどうなるか…楽しみです^_^ (2021年3月8日 17時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年2月28日 21時
