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「おはようございまーす」
ちらほらと、今日の舞台に上がるメンツが集まってきた。
ふと、俺の顔のすぐそばを横切っていくテイクアウト用の紙カップに目が引きつけられた。
劇場の目の前にあるカフェのものだ。
「あ、これいいでしょう！書いてもらっちゃいました〜」
そのカップを持っていた後輩が俺の視線に気づき、まるでトロフィーのようにカップを掲げて得意げに言った。
俺は苦笑いするしかなく。
カップには手書きのメッセージ。
「いつもありがとうございます」
語尾にはハートマーク付き。
「今日もかわいかったっすわ、Aちゃん」
「...ああ、そう」
「川西さんも今度一緒に行きます？」
「いや、うん。俺はええわ」
隣では、水田が聞こえていないふりをして笑いを堪えていた。
「何回聞いても連絡先おしえてくれないんすよねー」
「へー」
「こっちから渡しても全然かかってこないし。飲みに誘いたいんだけどなあ」
劇場の目の前にあるそのカフェは、大型チェーン店のように大きな店ではないけれど、豆にこだわった本格コーヒーが売りの小洒落た店だ。
場所柄、芸人たちの行きつけの場にもなっている。
そこで働いているAは、ちょっとした有名人で。
かわいく、愛想が良く、接客態度もニジュウマル。
そこへ通う芸人たちにとって、癒し的な存在になっている。
いつのまにか名前まで覚えられていて。
Aちゃん、なんて馴れ馴れしく呼ばれるようにもなっていた。
「...けんしろー、顔、顔」
後輩がいなくなり、水田が俺の耳元でこっそりと言った。
「気持ちはわかりますけども」
何が？と思いつつ鏡を見ると、
眉間に刻まれた深い深いしわと、釣り上がった眉。
めちゃくちゃ腹が立っているときの、超絶イラついた顔をした俺がそこにいた。
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えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、ありがとうございます☆また遊びに来てくださいね。よろしくお願いします^_^ (2021年3月19日 21時) (
レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 毎回楽しく読ませて頂きました！#2も楽しみにしていますね！ (2021年3月19日 10時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
えむ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、コメント嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年3月8日 23時) (レス) id: 811416b436 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 毎回楽しみに読ませてもらっています。これからどうなるか…楽しみです^_^ (2021年3月8日 17時) (レス) id: f338c2e715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えむ | 作成日時：2021年2月28日 21時
