Orangette 8 ページ8
「…もしかして緑茶が合う感じ？」
「なんでそうなるの。それは康二が1人の時に食べて。
何か恥ずかしいから。」
「ええ？」
「康二のために買ったんだし。」
ソファにゆっくりと座り直した向井が、じっとAを見つめると、耐えきれないようにAが顔を背ける。
その頬が少し赤い。
「Aさん？」
「こっち見ないで。」
「顔赤いで。」
「言わなくていいの。」
「チョコ一緒に食べんの、そんな照れること？」
「それは…本当…。康二、こういう時鈍くていや。」
「はい？鈍いて何？どゆこと？
しかも嫌って酷ない？」
向井が口を尖らすも、下がった眉尻では可愛らしい顔にしか見えなくて、視線を戻したAが小さく笑う。
「なあ、鈍いって何？俺なんかした？
一緒食べようやあ。」
「康二に食べて欲しくて買ったの。
だから、疲れた時にゆっくり食べて？」
「それも食べるけど、一緒にも食べたい。
な、一個だけ。な？」
「でも。」
「ねー、お願い。な？」
Aの笑顔につられたか、打って変わって
ふにゃりと笑う向井が、箱から一つオランジェットを摘み、Aの唇に当てる。
観念したようにAが口を開けると、一層向井の眉尻が下がった。
「うまい？」
「美味しい。」
Aの口にオレンジ色が消えると、そのまま指先に残ったチョコを舐めとる向井に、Aがまた赤面した。
「なっ。」
「ほんまや、チョコうまっ。
ほい、次Aさんの番。」
「えっ。」
「ほら、早う。あーん。」
口を開けて待つ向井の目は、意地悪く、楽しげに細くなっていて、絶句したAが目をくるくるとさせる様を楽しげに見ている。
「あ。」
催促するように、短く発した向井にAは嘆息すると、渋々と箱に手を伸ばし、一つを摘む。
このまま自分で食べてやろうかと、
一瞬Aの頭を過った事を見抜いたかのように、
向井の片手がチョコを持ったAの手首を握る。
「はーやーくー。」
「んもう…はい。」
未だ頬を赤くしたまま、向井の口にAがオランジェットを入れると、向井の少し赤くなった頬がゆるゆると緩む。
「んまっ！」
「それは良かったです。」
「Aさんが食べさせてくれたから、尚更やな。
ホンマありがとう。」
「いいえ。ね、もう、手離して？」
満足気に咀嚼する向井の手はAの手首を握ったままで、Aがそう言うと、向井の口角が上がる。
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マコト(プロフ) - え!!?!? オランジェット苦手なんですか?Σ(ﾟДﾟ) あんなに可愛らしいストーリーを紡いでくださったのに^^; 私はレモンピールやグレープフルーツピールのチョコレート掛けも大好きです♪←無駄な情報 (2月16日 17時) (
レス) id: 777d8311f2 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» いつもありがとうございます〜！やはり彼には甘くてオレンジだろう〜！となったら、めっちゃ甘くなりました（笑）そして私はオランジェット食べれない人です(*´ー｀*)見るのは好きなんですけど（笑） (2月16日 17時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うわーい!オランジェット大好きヽ(=´▽`=)ﾉ 可愛らしい橙様、ありがとうございました!! (2月16日 2時) (レス) @page9 id: 777d8311f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2024年2月15日 22時
