Orangette 5 ページ5
「…テーブルの上。」
「え？」
向井に悲しい思いをさせるのは不本意だ。
けれど、羞恥心はまだ消えてくれなくて、Aが辛うじてそう言葉にすると、向井がその目をテーブルに向ける。
そこにはちょこんと置かれた、オレンジの箱。
「あの箱、なに？」
「……康二へのプレゼント。」
「プレゼント？何の？今日、何かあったっけ？」
「今日じゃないけど…。」
「どういうこと？あれ、俺にくれようと思って
今日来てくれたん？わざわざ？」
こんな時、実に向井は察しが悪い。
Aはまた小さく唸って、額を向井の肩にぐりぐりと押し付ける。
そんな幼い仕草に、さっきまでの不安顔はどこへやら、向井が眦を下げる。
「どうしたん？そんな言い難いこと？」
「…康二がどんどん言い難くさせてる。」
「ええ？それはごめんやけど…俺そんな何か言うた？
てか、ホンマに急にプレゼントとか何？
見てもええ？わざわざ持ってきてくれる程なんやろ？」
ソファを立とうとする向井を、Aが抱き付いて力を込めて引き留めると、ますます向井の目元が緩んだ。
「なんや、珍しい。」
「大した物じゃないから。私帰ったらでいいから。」
「でも、もう帰るんやろ？やったら今見てもいいやん。」
この後用事があるなんて嘘だと分かっているはずなのに、そう言ってくる向井にAは口を尖らせて、抗議の意味を込めて軽くその背を叩く。
「私、ごめんって言ったのに。意地悪やめて。」
「意地悪なんてしてないやろ。」
「じゃあ、単に私に帰って欲しいって意思表示？」
「違う！そんなわけない！あーもー、あかんな。
何か今日あかん。
な、Aさん、ちゃんと座って、話そ。
初めからやり直し。」
「やだ。」
「なんでぇ。何か俺ら今日会話おかしいもん。
お互い何か、ひけんくなっとる。
折角久し振りに会えたのに、こんなんだめや。」
「……正論過ぎて悔しい。」
向井の言葉にAが吐いた溜息は、どうしようもない自分への呆れの溜息。
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マコト(プロフ) - え!!?!? オランジェット苦手なんですか?Σ(ﾟДﾟ) あんなに可愛らしいストーリーを紡いでくださったのに^^; 私はレモンピールやグレープフルーツピールのチョコレート掛けも大好きです♪←無駄な情報 (2月16日 17時) (
レス) id: 777d8311f2 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» いつもありがとうございます〜！やはり彼には甘くてオレンジだろう〜！となったら、めっちゃ甘くなりました（笑）そして私はオランジェット食べれない人です(*´ー｀*)見るのは好きなんですけど（笑） (2月16日 17時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うわーい!オランジェット大好きヽ(=´▽`=)ﾉ 可愛らしい橙様、ありがとうございました!! (2月16日 2時) (レス) @page9 id: 777d8311f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2024年2月15日 22時
