Orangette 3 ページ3
ぴくりとAの肩が跳ねる。
ようやく落ち着いたのか、少しだけ体を離してAの顔を覗き込む向井の顔にはやはり疲労が見えて
Aは向井をリビングのソファへ座らせる。
「じゃあ何？何もなくて来んやろ？
え？もしかして、俺のこと待っててくれるつもり
やった？」
「そういうわけでも…。」
「違うんかい。」
向井だけ座らせたAは、不自然にテーブルと向井の間に立ったまま。
向井は首を傾げてAを見上げ、Aは視線をうろうろと泳がせた。
「ホンマにどうしたん？何かあったん？」
「いや…なにも…。」
会えなくても、チョコレートだけ渡したくて来ました、
なんて。
恥ずかしすぎて言えるはずもない。
何とか言い訳を探そうと動かした視線の先に
Aが見つけたのはソファの背もたれへかけられた、部屋着。
「へ、部屋の片付けとか、何か出来ることないかなって
思って。」
「へ？」
「ほら、康二最近忙しいから。飲み物の補充とか、
私に何か出来ることあれば、と思ったんだけど
全然綺麗でびっくりしちゃった。
さすが康二ね。」
Aは両手を合わせて、決して嘘ではない、けれど、本当でもない理由を言うと
向井そんなAの様子を見抜いたように
はあ、と大きな溜息を吐いた。
向井は自分の隣に座るようAの手を引くが
Aはそれを拒むように足に力を込める。
Aが座ってしまえば、向井の目にテーブルの上に鎮座しているオレンジ色がバッチリ映ってしまう。
向井のために用意した物を向井に隠すなんて
本末転倒も良い所だが、変に隠し始めてしまったためか、妙な羞恥心がAを襲っていた。
「…なんなん、何で座らんの。」
「いや、私、もう、帰ろうと思ってたところで。」
「なんで？俺帰ってきたのに？」
「それは予定外だったっていうか。」
「そうかもしれんけど、
もう少し居ってくれてもええやん。」
「いや…、それは。」
「何か予定あるん？
俺の家寄ったんは、そのついで？」
「そ、そんな感じ。」
「そんな急ぎの用事？俺、タイミング悪かった？」
Aの手を握ったまま、Aの顔を見上げてた向井の目は、じっとAの顔を見つめている。
その瞳が一瞬、ゆらりと揺れた。
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マコト(プロフ) - え!!?!? オランジェット苦手なんですか?Σ(ﾟДﾟ) あんなに可愛らしいストーリーを紡いでくださったのに^^; 私はレモンピールやグレープフルーツピールのチョコレート掛けも大好きです♪←無駄な情報 (2月16日 17時) (
レス) id: 777d8311f2 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» いつもありがとうございます〜！やはり彼には甘くてオレンジだろう〜！となったら、めっちゃ甘くなりました（笑）そして私はオランジェット食べれない人です(*´ー｀*)見るのは好きなんですけど（笑） (2月16日 17時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うわーい!オランジェット大好きヽ(=´▽`=)ﾉ 可愛らしい橙様、ありがとうございました!! (2月16日 2時) (レス) @page9 id: 777d8311f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2024年2月15日 22時
