Lunch time 2 ページ2
ぴったりと肩を並べて、凡そ料理中の会話とは思えない漫才のような会話を繰り広げる２人の背を見ていたAだったが、何だか途中で可笑しくなってきて、小さく笑う声を漏らすとようやく鞄を部屋の隅に置く。
それから向井の隣に立つと、深澤の手元を覗き込む。
「本当に深澤くんが包丁持ってる。
何か、ぎこちないけど。」
「これでもマシになったんよ、これでも。」
「これでもって言うな！！ねえー。これは？
これ取っちゃっていいの？あ、取れた。」
三枚おろしの途中でその存在に気付いたのか、
魚の胸鰭を摘んで向井へ問うた深澤だったが
無骨な所作のせいか、３枚の内の１枚がかなり薄くなってしまっているせいか、質問の途中でぶちりと鰭が取れて、堪えきれないようにAが笑い声を上げた。
「ねえ、ちょっと、嘘でしょ。」
「何でそんな笑ってんの。これ要らないよね？
食ったことねえもん。はい、次ー。」
肩を震わせて笑うAに首を傾げながら、至極真面目な顔で魚に向き直る深澤が、ゆっくりゆっくりと包丁を滑らせていく。
それを向井とAが見守る。
そんな不思議な時間が続いたのも束の間、折っていた腰を伸ばした深澤が、向井とAをじっと見る。
「どしたん？」
「疲れた？代わる？」
揃って首を傾げた２人に深澤は面白くなさそうに目を細めると、顎をくいとしゃくる。
「Aはこっちで、味噌汁に入れる豆腐とか
準備して。」
「あ、うん。」
「康二は俺の手元見て教えて。」
「お？おん。」
深澤に指示されるままに、Aは深澤を挟んで向井の反対側、冷蔵庫を開けてお味噌汁の具を準備し始めて、向井は首を傾げながらも、変わらず覚束無い深澤の手元を見る。
深澤は鼻を鳴らすと、またゆっくりと慎重に包丁を進めた。
そんな深澤に顔を寄せて、小さな声で向井が声をかける。
「……なあ、ふっかさん。」
「なに。」
「もしかしてなんやけどさ。」
「おん。」
「もしかしてなんやけど、俺とAさんが近くに
居るのい」
「それ以上言ったら、俺自分の指切るからな。」
「っ…どんな脅しやねん。たち、わっる。」
「うっせ！集中しろ！」
「ふっかさんがな！！」
「２人ともうるさいよ〜。
お味噌汁沸いちゃうんで、急いでくださあい。」
きゃんきゃん騒ぐ２人にAがそんな声をかけながら、珍しい昼食の準備は進んで行った。
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Y.Harumizu(プロフ) - たいるさん» 感想ありがとうございます^ ^お褒めの言葉まで＾＾紫さまは、きゃーって叫びたくなるきゅん爆弾を投下していきますよね〜。その感じが出せてると嬉しいです^ ^緑様は王道的に射抜かれます（笑）さくこじ、また可愛い可愛いコンビですよね♡私も大好きです♡ (1月31日 21時) (
レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
たいる(プロフ) - いつも興奮冷めやらぬ作品をありがとうございます。これからも応援しています！(ちなみに私は阿部担なのにさくこじに浮気する箱推しです笑) (1月30日 21時) (レス) id: fb3c69c649 (このIDを非表示/違反報告)
たいる(プロフ) - こんにちは、初めまして。作品全部拝見しています。控えめに言って最高です。下のたけさんのコメントを見てつい私もコメントしたくなり今書き込んでいます。私も「うああああ！！！」と叫びました！笑 大声だと近所迷惑なので、声にならない声でですが、叫びました。 (1月30日 21時) (レス) id: fb3c69c649 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - たけさん» ありがとうございます^ ^叫んじゃうくらい楽しんでもらえて嬉しい限りです（笑）最後の最後で甘々で大人を見せつけるのが彼の魅力ですよね〜。表現力まで褒めていただきありがとうございます！ぽちぽち書いてるので、また良かったら楽しんでください^ ^ (10月17日 12時) (レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
たけ - （追記）読み終わった後は家族の前であるにも関わらず、「おいおいおいふかざわぁぁぁぁぁ」と叫んでしまいました。無事に喉が壊れました。 (10月15日 21時) (レス) id: 14b48c17f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2023年10月10日 21時
