Bloody・snowは闇夜に狂い咲く2 (ページ10)

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昔の記憶＜後編＞ページ10

こうしてじいちゃんの空想物語が始まった

―――――

その吸血鬼はいつも辛い思いをしていました。自分は人間とは違う、そのせいで酷いいじめにあっていました

そんなある日、いつものようにいじめられている吸血鬼の前に一人の人間が現れました

彼は「いじめたら可哀想だろ！やめろ」と言い放ちいじめっ子を追い払いました

助けてくれた彼は

「人間は酷いよな。自分と違うってだけですぐに嫌う…でも俺はお前みたいなやつほっとかないから、また何かあれば俺を呼べよな！！」

そう言ってくれた

それからその吸血鬼は毎日その彼と会い、たわいもない会話で日々を過ごしていった

そんなある日その彼が死んだと知った

他の人間と遊び半分で訪れた洞窟で崩落があり彼と数人が犠牲となったのだ

その日からその吸血鬼は狂い始めた。彼を洞窟に誘った人間を恨むようになった

そしてとうとう人間に手をかけようとしていた

――だけどその時、彼の亡霊が現れて

「ダメだよ殺したら、僕も悲しむし君も辛いだろう。僕が死んだのは運命だった、だから君が気に病む必要はないよ。だから人間を殺さないで」

とだけ告げた

それを聞いた吸血鬼は我に返り人間を殺さずに済んだ

それから吸血鬼は彼の亡霊とたまに出会い昔のようにたわいもない日々を過ごしましたとさ

「…おしまいおしまい」

深「へぇ〜おじいちゃんのお話やっぱり面白い！」

祖父「それならよかったよ…それから」

深「なぁに？」

祖父「辰哉には人間、吸血鬼と差別なく接するそんな人になってほしい」

深「…えっ！吸血鬼って本当にいるの！？」

祖父「それは分からないけどね笑」

深「分かった…もし居た時のためにいい人になるね！」

当時の俺は優しかった

―――――

今思えばじいちゃんのお話、無理矢理感が凄いけど

―17年前―

「おじいちゃぁぁん！！」

俺が8歳の頃じいちゃんが死んだ

死因はおそらく吸血鬼に襲われただと聞いた

なんで…吸血鬼って良い奴なんじゃないの？ねぇ、おじいちゃん…

……許せない。じいちゃんを殺した奴らを絶対許さない

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じいちゃんの死から教わった吸血鬼は悪ということ。これ以上人間の犠牲者を出させないそしてじいちゃんを殺した吸血鬼諸々を殺してやる

たとえどんな邪魔が入ろうとも―

岩「おーい、ふっか？」

「あ…っ」

岩「大丈夫？上の空だったけど」

「うん…平気。とにかく秘密は話さない主義だから」

岩「…そっか」