Bloody・snowは闇夜に狂い咲く2 (ページ9)

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昔の記憶＜前編＞ページ9

深「まぁ、いい。意識があるうちに処刑出来て嬉しいよ」

そういうと俺に背を向けて何か言い始めた

深「…今、神のお告げを聞きし我。過ちを犯した男の罪を処することをあらんとする」

え…これ俺まじでヤバいやつじゃね？？

「はぁ…放せっ！！」

深「無駄だ。お前はその十字架を前に手も足も出せない」

はぁ！？俺死ぬの？？短かったんだけどぉ…俺の人生…もうやだ泣きたい

深「そろそろ0時を回るか…おい、お前」

「っ…なんだよ…」

深「あと5時間ほどで夜が明ける。お前の命のタイムリミットだ」

「…いつからここに縛ってた？」

深「かれこれ18時頃か？それぐらいだな」

なるほど…夜明けに間に合わせるために夕方から準備してたのか…って感心してる場合か！！

何とか逃げ出したいけど…抜け出せそうにないし、全く困ったな

―――――
深澤side

ようやく…罪人に手を下す日が来たんだ。

「照、ラウはどこに？」

岩「ラウールなら部屋にいるよ」

「はぁ！？懺悔室入れとけって言ったよな？」

岩「確かに言ったな、でももういいだろ。許してやれよ」

「許せるわけねぇだろ、何したと思う？」

岩「いや…まぁ…」

「吸血鬼を庇った。これ以上の罪ある？」

俺にとっちゃどんな罪よりも重いと思ってる。未成年だから懺悔室程度で済んでる話だが―

岩「そういえば、ふっかってなんでそんなに吸血鬼に腹を立てているんだ？」

あれ…確かになんでだろう

「それ知る必要ある？」

岩「前々から思ってた、ふっか秘密多くない？何にも話してくれないし」

「謎多き男の方がかっこいいだろ？」

岩「いや今冗談いいわ」

「ボケてるんだからノッてよ！…まぁいいや、そんな大したことじゃないから」

これは…照に言っていいのか分からないから

―――――
20年前――

深「ねぇ、おじいちゃん！！何か楽しいことない？」

祖父「そうだね…じゃあ辰哉にお話を聞かせようかな」

深「ほんと！？やったぁ」

祖父「昔むかしあるところに、とても強い人間と心優しい吸血鬼がいました。」

深「きゅうけつきぃ？何それ」

祖父「私たち人間とは違う種族の人達だよ。この地球のどこかに暮らしている」

深「それって悪いやつなの？」

祖父「いいや、悪いやつなんかじゃないよ。見た目は少し違うかもしれないけど私たちと同じ生き物だ。だから出会ったら優しくしてあげるんだぞ」

深「…おじいちゃんがそういうなら！」

祖父「じゃあお話の続きをしようか―」