孤独物語 ページ47
目「……康二、大丈夫？」
「…今更何？」
なんでよりによってこのタイミングで
家が近いから仕方ないかもだけど…二度と会いたくなかった
目「どうして言って―」
「言ったよ？聞かなかったのはそっちやん」
目「あの時は…言い出せなくって…」
「嘘ばっかり。どうせ庇って自分もターゲットになるのが怖かったんやろ？」
目「そんなこと…」
「もういいよ。一番の親友とか薄っぺらいもんなんやな」
目「ちょっとそれは言い過ぎだろ」
「いいよな、めめは。男女ともにチヤホヤされて好かれて愛されて」
目「おい、いい加減にしろ」
「めめに俺の何がわかる、毎日毎日もう壊れそうなんや。ほっといてくれ」
目「あ、康二待って」
俺最低や…もしめめと一緒におったら頑張れたかもしれない。ここまで心が壊れることがなかったかもしれない
目「康二、どこいくんだよ」
「着いてこんで」
ねぇ知ってる？俺辛すぎてもう死ぬ直前なんだよ？まぁ俺がどれだけ悩んでいたかなんて微塵も知らないんだよね。平和で羨ましいよ
めめは俺だけのものやと思ってたのに…アイツらのせいで…どうしたらまた横にいて一緒に笑いあってくれるかな
「あぁ…そうか」
俺がいなくなれば心配してくれるよね
―――――
噂で聞いたことあった
隣町の奥深くにある森、通称"迷いの森"そこに足を踏み入れれば脱出はほぼ厳しいらしい
「ここやな…」
夏休みという長期休暇を使って俺は行方不明を演じた
「ここ本当に迷いの森？なんか普通の森と変わらない気が」
ま、そんなことどうだっていいや
俺はこの森に身を置くことにした
―――――
「ん…？夜？」
気づけば真っ黒な空に輝かしい三日月。いつの間にか夜になっていた
「…勢いよくとび出たけどやっぱり夜怖い…めめ助けて」
ってアホか俺は！その調子じゃまためめに笑われる
頬を叩いて気を締め直す
「ふん、めめなんて気にするな」
？「……ハハッ葛藤してるな人間よ」
どこからともなく不気味な声がする
「だ、誰や！？俺になんの用や」
？「まぁまぁそんな怯えるなって。今そっち行ってやるよ」
凄まじい旋風と共に美しい容姿の青年が現れた
「登場の仕方かっこええな…」
？「お？まじ！？ちょっと嬉しいかも」
なんやねんこいつ…なんらか変な感じや
？「お前なんでここに来た」
「別にあなたに話すことことやないし」
？「まぁまぁそんなこと言うなって。俺がお前を救ってやるからさ」
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作者名：雨乃ふあ | 作成日時：2020年7月24日 21時
