幸せの反比例 ページ41
それからずっと気になっていたことを彼にぶつけてみた
「たくまくんなんで俺とよろしくするんや？」
佐「…ふぇ？」
「俺がもし悪いやつやったらどうする気なん？」
元々敵どうしだった俺たちここで仲良くしていいものなのか
佐「……あぁ、ね。それは何となくどうにかする」
「な、何となくってなんやねん」
佐「考えることが嫌いなんだよね俺。直感で物事を考えている感じ」
「人生論語り出したで…」
佐「俺の直感だと康二は良い奴何じゃねぇのかなって、だからよろしくしたいって思った」
「へぇ…なるほどな」
彼にも彼らしい考え方があるのか…
「深いな」
佐「そう？でも自分で言ってること整理できてないけど」
「さっくんはそういう奴やん？ええと思うで」
俺いいこと言った！！思ったのにそのキョトン顔はなんやねん
佐「さっ……」
「え？何俺変なこと言った？？」
佐「さっくんって何！？超可愛いー！！」
「え？え？ん？あ、また"そこ！？"パターンかこれ」
佐「いやさ、さっくんとか呼ばれたことなかったから嬉しくて…もっと呼んでよ！！」
「まぁ、呼んで欲しいのなら」
佐「いーやったね！！」
こんなに分かりやすく嬉しそうなの…無邪気な子供みたい
佐「康二！」
「ん？」
佐「俺たち敵どうしだけど友達になれるかな？」
「なれるわけないやろ」
佐「え…そ、そんな…」
「もう友達なんやから」
佐「そ、そう…だね…」
牢獄の鉄パイプを背中合わせで座る
「俺疲れたからもう戻るわ。またな」
佐「……う、うん！ばい…ばい！！」
俺には分かった、元気にばいばいしてくれたけどあれ泣いてるって
―――――
阿「康二ふざけるなよっ」
「ご、ごめんて」
阿「誰がアイツと友達なんかになるためにあそこ行けって言った」
「別に相手の気持ちに漬け込んで言った言葉やし、本心じゃないって」
阿「ちっ……次面倒な真似したら許さないからな」
案の定阿部ちゃんにバレちゃったみたい。俺とさっくんが仲良くしてること
―――――
佐久間side
ある日を境に康二が来なくなった
「もう…康二来てくれないと退屈じゃん」
やっぱり敵だもんね。俺と仲良くなんかしちゃダメなんだよね
「康二にも会えないし翔太達も助けに来てくれない…」
佐久間さん孤独で死にそうだよ…
いっその事ここで自分のこと噛み殺してしまおうか
「もう嫌…こんな人生耐えらんない」
初めて感じた
誰でもいいから俺を殺して欲しい…と
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作者名：雨乃ふあ | 作成日時：2020年7月24日 21時
