引き裂かれた絆 ページ24
目の前の光景に驚倒した
「こ……！？康二？？」
向「めめ！？なんでこんなとこにっ…！？」
康二は数年前に行方不明に…
「康二！？生きていたんだな…突然居なくなるから俺…」
向「黙れ、貴様頭が高いぞ」
「えっ…」
あの見た目は確かに康二だ。俺のことも"めめ"って、だけど何かが違う
あんな冷徹な話し方じゃない
阿「なんだ、知り合いか？」
しかも…なんであんな奴といるんだ？？
向「まさか…人違いやねん」
なんで…？
深「目黒どういうことだ？吸血鬼と知り合いなのか？」
「いや…俺の知り合いに吸血鬼は居ない」
岩「でも今…」
「えっえっ？なんで？？なんで康二が吸血鬼？？」
嘘だ！？俺と一緒にいた頃は確かに人間だった。一緒に学校に行って一緒に遊んでたくさん話をした…
「な"ん"で"だ"よ"ぉ"康二！！」
阿「ははぁ…いいね、面白いよ」
「康二！本当にお前…なのかっ！？」
向「………」
―――――
向「めめほら来たで、学校行こか」
「はぁ…ねっむ…今日休もうぜ」
向「ほらまたそういうとこ笑、ちゃんとしてや。ほら置いて行くで」
「もぉ…待ってよ」
――
「康二、進路決めた？」
向「あ…それがな、さっぱり決まらんくて…とりあえず大学とは書いといたけど」
「じゃあ俺も大学って書いとこうかな」
向「待って待って、めめが大学はヤバいて笑」
「お前…バカにしてるだろ！！笑」
――
「…ん？もしもし？」
向「めめぇ…助けてや…」
「え？何どうしたの？？」
向「虫がぁぁぁ…」
「なんだよ…笑そんなことでいちいち電話すんなって」
向「だって怖いんだもん……」
「はいはい、網でとって外に逃がしてあげな。じゃあ切るからな」
向「そんな待っ…」
―――――
俺の記憶…正しければやっぱり康二は吸血鬼なんかじゃない
阿「まぁ、君の記憶は正しいだろうね」
やっぱり…
阿「康二は俺が吸血鬼にさせたからね」
「……お前」
阿「あ、勘違いしないでね。俺は康二に頼まれて望みを叶えてあげただけだから」
「なんの望みだ」
阿「人間をやめたかった…だったっけ？」
…人間をやめたかった…？
何かの間違いじゃないのか！？そんなこと康二が思うわけが無い。あいつの思惑にはめられたのでは…？
阿「相当ショックそうな顔してるけど笑、そんなに気になるなら本人にでも聞けば？」
「なぁ、康二。嘘だよな？嘘だと言ってくれ」
向「嫌だったんよ。毎日、めめの方が期待されて好かれて―」
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作者名：雨乃ふあ | 作成日時：2020年7月24日 21時
