Bloody・snowは闇夜に狂い咲く2 (ページ20)

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悲しい青年ページ20

「おい阿部、何が目的だ」

阿「まぁ色々と？ごめんね舘様」

「お前…出会った頃と変わったな…」

阿「ちょっと笑…昔の話はやめてよ…恥ずかしいじゃん」

俺と出会った頃の阿部はこんなやつじゃなかった

とある悲しい青年、亮平とのお話

――――――

500年前

？「はぁ…はぁ…誰か…助けて」

…人の声？誰か叫んでる

？「悪いけど…忌み子は死ぬ運命なんだ」

？「どうして？？みんなと変わらないじゃん。ただ普通に生きていたいだけなのに」

？「忌み子で生まれた時点で人生終わったようなものさ。恨むなら自分の親を恨むんだな」

？「嫌だ、神父様やめてください」

神父「じゃあな亮平。安らかに天国に行ってくれ」

バン――と鈍い音がしたかと思うと

亮「……っう……」

すぐにドサッと倒れる音がした

「撃たれたのか…？」

二人の会話が聞こえたところに向かう

「おい、大丈夫か！？しっかりしろ」

男は既に去っていて、青年だけがその場に倒れていた

亮「……誰…で…す…か…」

幸いまだ微妙な呼吸を感じる

亮「お…兄さん…背中…天使…みたい……俺い…い子…でいたから…天…国…行…ける…かな…」

マントが羽にでも見えたのだろうか

「俺はお前が思っている天使とは違う」

亮「…そっ……か…」

俺が天使？笑わせるじゃん

「はぁ…ったく…じゃあ天使様が生かせてやるよ」

亮「本…当…」

人間を吸血鬼にしたことなど前例が無かった

そもそも人間って吸血鬼になれるのか？そこですら未知の領域だった

なんでこんな人間を助けようと思ったのだろう…もちろん同情の面もあった。でもそれ以前にどうなるか気になったから

「どうすればいいのだろう…」

腕を噛み血を流す、考え込むといつもやる困った癖だ

「…！？お前何やってるんだ！」

気がつくと青年が俺の腕に齧り付いていた

亮「えっへ…へ…天使…さん…の真…似…」

「痛いだろ、やめろ」

亮「へへ…へ…う"っ……あ"っ…」

「なんだ！？」

突然青年が口元を押え、もがき出した

亮「はぁ……はぁ…あ"あ"…」

「何が起こってる！？」

物凄いスピードで傷が回復していく

亮「何だか体が楽になってきた」

そういうと立ち上がってみせた

「お前どうしたんだよ…さっきまでひどい―」

亮「お兄さんありがとう！俺もう少し生きれるみたい」

訳が分からなかった。だってさっきまで死にかけていたやつが今こうしてピンピンしているのだから