Bloody・snowは闇夜に狂い咲く

殺される覚悟 ページ6

佐「何？」


佐久間の人差し指を舐める


佐「ひぇっ…」


ダメだ、血の衝動には抑えられない。本能が騒いでる


佐「翔太？しょ、翔太くん？」

「佐久間、もっとよこせよ」

―――――
佐久間side


目の前に来た翔太は何かが違った


「翔太？しょ、翔太くん？」


目が赤く光ってる、赤黒い狂気じみた目


渡「佐久間、もっとよこせよ」

「な、何を………！？」


"吸血鬼ってのは、まぁ簡単に言うと人の血を奪う化け物？みたいな目が真っ赤になったりするのが特徴かな？"


まさかと思ったが確かめるべく俺は包丁で別の指を軽く切った


「痛った…」


切り傷の隙間からは血がゆっくり流れ出る


「翔太…これか？」

渡「佐久間、お前バカのくせに分かってんじゃん」


言わんとばかりに目の前の化け物は食らいついてきた

まさか自分が助けたやつが殺せと命令されている化け物だったとは―


「俺はどうするべきなんだ…」


と思ったもののすぐに翔太はどっか行ってしまった


「え…翔太？」

渡「なんだよ。あといい加減呼び捨てやめろよ」


あれ？助けた時の翔太だ。目も綺麗なサファイアの色をしている


「…え？なんだったの？」


自分の手を見てみると怪我した指の切り傷はすっかり治っていた


渡「俺が治しておいた」

「えぇ！？お前怪我治せるの！？すげぇ…！！」


へぇ…あれは治療してくれてたんだ


渡「………もう気づいただろ？俺が吸血鬼だってこと」


俯きながら翔太は己の正体を明かした


渡「まぁ、俺も正体がバレちゃ殺されるよな」


どうしよう…ふっかも照も裏切ることは出来ない。でも目の前で怪我を治してくれた優しい化け物を殺すことも出来ない…


渡「殺すなら一瞬で殺せよな、痛みが続くのは辛いから」


そう言って椅子に座り込んだ
まるで死を覚悟しているかのように…

―――――
渡辺side


やっちゃった…
あれだけ耐えろって思ったのに止めれなかった


佐「…え？なんだったの？」


ほら、動揺してる
そりゃあそうだ。急に変なことされたらそうなるよ


「俺が治しておいた」


ちょっとでも笑いの方に捉えてくれたら嬉しいけど


佐「えぇ！？お前怪我治せるの！？すげぇ…！！」


ちょっと待て、なんか褒められたんだけど！？こいつ頭のネジ足りてる…？


「殺すなら一瞬で殺せよな、痛みが続くのは辛いから」


こんなわがまま聞いてくれるかな


佐「あのさ勘違いしてると思うけど俺お前のこと殺さないよ？」

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