Bloody・snowは闇夜に狂い咲く

散歩 ページ40

渡辺side


何がどうなっている…


「おい、放せ」

？「放せって言われて放すバカがいると思う？」


目の前の男はにやけ顔で口を開いた


？「沢山可愛がってやる。吸血鬼君よ」


1時間前――――


佐「涼太ぁ！！頼むよ〜」

宮「お前に涼太呼びはまだ早い」

佐「いーじゃん、なんて呼んだって」

宮「国王って呼べ」


最近の佐久間と涼太はとにかく仲が悪い、お互い反抗期なのか…？


「その喧嘩どうでも良くないか…？」

宮・佐「どうでもよくない！」


息ぴったり…お前ら仲良しかよ


「あぁそうだ涼太。ちょっと相談あるんだけど」


俺は別室に涼太を呼んだ


「何？相談って」

「佐久間さ、そろそろ外出許可出してもいいんじゃね？」


あの日佐久間がここに来てから一度も外に出ないで数年が過ぎた


宮「えぇ…でも今危ないよ？外には吸血鬼ハンターがいるらしいし」

「じゃあ俺が付き添う、それでいい？」

宮「そこまでして出かけたいの？」

「だって佐久間何年も幽閉してて可哀想だろ、そろそろ外も体験した方がいいんじゃないかと思って」


それに前まで住んでいた場所に行けば記憶が戻るかもしれない…

このまま記憶喪失なんてあいつが可哀想だ


宮「はぁ…もう分かったよ」

「え？まじ？？」


ぶっちゃけ涼太にこの相談するのは無茶レベルだった。意思固いやつだから


宮「ただし、すぐ戻ってくること。あんまり遠くに行くなよ？」

「…涼太、お前いいところあるな」

宮「俺はいつもいいところしかないよ」

「なんじゃそれ笑」


―――――


「…というわけで今から出かけるから」

佐「へぇ…あれ涼太は？」

宮「涼太じゃなくて国王って呼ぼっか」

「涼太は忙しいから家にいるって」

佐「なるほどね、わかった！」

「じゃあ行ってきます」

佐「涼太ばいばーい！」

宮「国王って呼べよ…」


俺たちは外に出かけていった


―――――


「どう？外は」


微風に包まれながら夜道を歩く


佐「うん、心地よいというか穏やかというか」

「でしょ？良かった」


来たかいがあった


佐「しーっ翔太。あっちから声聞こえない？」

「声？」


佐久間が指さす方向に耳を傾ける


？「こっちのほうにいるの？」

？「間違いない、このあたりに奴らはいるはずだ」

？「俺はあっち探してきます」


まずい…近くに人間がいる


「佐久間、静かにここを離れるぞ」

佐「ラジャー！」


物音を立てないようにそっと逃げた

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